tripla(トリプラ)[5136]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。VC出資はあるものの初値売却で利益が期待できそうです。


主幹事は大和証券が務め公開株数1,029,000株、オーバーアロットメント154,300株です。上場規模は想定発行価格640円から計算すると約7.6億円になります。


tripla(トリプラ)[5136]IPOが上場承認
※トリプラ公式サイト引用


業績規模が小さいため初値1.5倍程度が視野に入りそうなIPOだと思います。


宿泊施設向けに限定されますが、クラウド型の予約システムを手軽に導入できるとあり上場による知名度アップで売上が伸びると考えられます。


赤字が続いているため今期黒字予想が出れば面白そうです。コロナ禍も過ぎ去り、外国人の訪日期待も高まる状況なので利益見込みは強そうです。


軽量級のIPOなので公開価格割れはないと思います。ただVC保有株が多いことには注意が必要だと思います!!


tripla(トリプラ)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日11月25日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容宿泊施設等に対する、公式サイト予約システム「tripla Book」、AIチャットボットシステム「tripla Bot」等のサービスの提供
ブックビルディング11月09日~11月15日
想定価格640円
仮条件730円~800円
公開価格800円
初値結果1,620円(公開価格2.03倍)
企業情報https://tripla.io/
監査人監査法人A&Aパートナーズ
手取金の使途
  • 借入金の返済
  • 人材確保のための人件費・採用費
  • 広告宣伝費


項目株数データ
公募株数660,000株
売出株数369,000株
公開株数(合計)1,029,000株
オーバーアロットメント154,300株
上場時発行済み株数5,280,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約33.8億円
幹事団大和証券(主幹事)
マネックス証券
みずほ証券
楽天証券
委託見込CONNECT
DMM.com証券


tripla(トリプラ)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格640円を基に吸収金額を算出すると約6.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.6億円規模の上場となります。


同社は宿泊施設向けITサービスとして「tripla Book」を中心に、「tripla Bot」「tripla Connect」「tripla Pay」等を提供しています。


「tripla Book」は2019年7月のサービス提供から宿泊施設向けのクラウド型公式サイト予約システムとして提供しています。


宿泊施設の公式サイトに、同社の用意したJava Scriptを埋め込むことにより、宿泊施設の公式サイト上で予約が可能となるウィンドウが表示され、予約を実装できるサービスとなっています。


宿泊予約の離脱を防止し予約を増加させるため、操作の簡単さや予約完了に至るまでの時間を短くする仕様となっているそうです。


tripla(トリプラ)の業績
※有価証券届出書引用


料金体系としては、部屋数に応じた月額の基本料金と従量料金があります。


従量料金は「tripla Book」を通じて宿泊した部屋数が閾値を超えた場合に発生します。閾値の設定は、原則として宿泊施設が「tripla Book」を契約する前に利用していた他社予約エンジンによる過去1年間の月ごとの宿泊実績としているそうです。


「tripla Book」を契約した場合は「tripla Agent」以外の各種機能を標準利用することが可能です。


「tripla Agent」は「tripla Book」のオプション機能となっています。


tripla(トリプラ)の事業内容
※有価証券届出書引用


「tripla Bot」は、宿泊施設等の公式サイト上にチャットボットを表示させ、ユーザーからの質問に対し、自社で開発したAIが自動的に回答するサービスです。


宿泊施設等は、自ら開発を行うことなく用意されたJava scriptを自社公式サイトに埋め込むことで実装可能です。


「tripla Connect」は、宿泊施設向けに特化したCRM・MAツールになります。


宿泊施設等は複数の経路によりユーザーのデータを取得し、データをセグメントに分け分析・可視化し、セグメント毎にマーケティング施策を実施することで、予約増加につなげることが可能となっています。


tripla(トリプラ)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


「tripla Pay」は宿泊施設向けに特化し、現地決済の仕組みを提供するサービスです。


同社はPaypal社の仕組みを活用し、決済事業者が発行するQRコードをtripla Pay上で表示させることが可能となっています。


tripla(トリプラ)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2015年4月15日、東京都中央区新川一丁目22番13号に本社を構えます。代表取締役CEOは高橋和久氏(1976年9月26日生まれ)、株式保有率は16.17%(820,000株)です。


従業員数71人で臨時雇用者9人、平均年齢35.3歳、平均勤続年数3.3年、平均年間給与5,762,000円です。


セグメントはホスピタリティソリューション事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
鳥生 格1,200,000株23.66%
高橋 和久820,000株16.17%
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合362,000株7.14%
MSIVC2018V投資事業有限責任組合357,600株7.05%
リード・グロース3号投資事業有限責任組合348,000株6.86%
ALL-JAPAN観光立国ファンド投資事業有限責任組合186,000株3.67%
NREGイノベーション1号投資事業有限責任組合160,000株3.16%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年5月23日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


また、一部の株主とベンチャーキャピタル等に対して90日間(2023年2月22日まで)のロックアップ、さらにロックアップ解除が発行価格の1.5倍となっています。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは行われません。


tripla(トリプラ)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が730円~800円に引き上げられ吸収金額が最大で約9.5億円、時価総額約42.2億円となります。


業績水準の低さから心配していましたが、2023年10月期の業績予想が大幅に改善するため投資妙味がありそうです。ただし、コロナ禍が到来しVC出資も多くイグジット案件と言えそうです。


公開株数も多めなので公募組の売渋りも起きにくいのではないでしょうか。


そのため想定されているようにロックアップ解除を狙った価格帯が意識されそうです。


大手初値予想1,000円~1,500円
修正値1,500円前後
再修正1,200円~1,300円
直前予想1,300円

※注目度B


業績を確認する2023年10月期の単独予想を確認できました。売上11.74億円となり前期比47.12%増、経常利益2.25億円となり前期比268.85%増となります。


四半期利益は1.88億円となり前期比300%増の予想が出ています。


公開価格が800円決定の場合の指標はEPS36.02からPER22.21倍、BPS167.00からPBR4.79倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


2022年10月期の業績はいまいちのようですが、2023年10月期はコロナ収束を見越して営業収益が大幅に増加する見込みです。政府の旅行支援もあり黒字化維持は容易なのかもしれません。


kimukimu

今後は国内旅行よりも海外からのインバウンド狙いにスイッチしていく可能性もあります。同社サービスは外国語にも対応しているため業績期待は大きいと考えられます!



問題はベンチャーキャピタル保有株が多くロックアップ解除となる1,200円以上だと売り圧力が高まることです。某紙によれば183万株が解除対象になるとの観測が出ています。


全ての株式が売却される可能性は低いものの、公開株数の1.5倍がVC保有株と考えた場合は上値が重たくなるはずです。上場後しばらくは上値が重たくVCが株式を売却した後に株価上昇といったパターンも考えられます。


業績予想をクリアーしてくるのであれば現在の株価はディスカウントされていると言えそうです。


新型コロナ第8波の入り口にあるとメディアが報道しているため先のことはわかりませんが、上場タイミングは悪くないと思います。


そもそも上場規模が小さいため公開価格割れとなることは考えにくく、公募組は積極的にIPO抽選に参加しておくことをお勧めします!


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)946,900株92.02%
マネックス証券30,800株2.99%
みずほ証券30,800株2.99%
楽天証券20,500株1.99%


売上拡大が続き、赤字が直近で減っているため今期黒字期待の銘柄です。吸収金額が低く低単価のIPOなので初値利益が狙えそうです!


主幹事大和証券とCONNECT(コネクト)からの申込を徹底しておきましょう。さらに今回はマネックス証券が副幹事のため申込み忘れのないようにしておきましょう。


ネット組は当選を期待して良いかもしれません。公開株数も100万株超えですからね!!


IPOルールは下記記事でそれぞれまとめています。マネックス証券は引受けた株数を全て抽選に回している証券会社です。







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運営情報を下記記事でまとめてみたのでよかったら参考にしてください。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
カカクコム(2371)PER27.79倍PBR9.39倍
手間いらず(2477)PER44.93倍PBR6.71倍
※2022年11月09日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2018年1月31日~2028年1月30日337,000株260円
2019年3月02日~2029年1月29日84,000株340円
2019年4月02日~2029年1月29日23,600株340円
2022年9月18日~2030年8月28日50,600株625円
2022年9月18日~2030年8月28日2,000株625円
2023年9月18日~2031年8月27日103,400株625円


ストックオプション(新株予約権)は497,200株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数4,620,000株に対する新株予約権の割合は9.76%に相当します。新株予約権による潜在株式数は450,800株です。


ストックオプション制度の内容と数値の誤差があるようです。


tripla(トリプラ)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

tripla(トリプラ)のIPOはVC出資が少なければ初値2倍程度が狙えたと思いますが、VC出資割合が高いためロックアップ解除後に不安が残ります。


同社は宿泊業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える総合的なエコシステムを提供していることから、DXを意識した買いも期待できそうですなんですよね。


チャットボットのAI(人工知能)は材料にならないと思います。


tripla(トリプラ)[5136]IPOのまとめ
※トリプラ公式サイト引用


宿泊旅行業界はコロナ禍により大きな打撃を受け一時は壊滅状態となっていました。


しかし昨今は回復基調にあり、徐々に宿泊需要が高まると予想されています。日本政府も海外からの入国者数の上限撤廃を打ち出しインバウント需要の期待が高まっています。


類似サービスを行っている競合は複数社確認され競争の優位性的には大手と格差があるかもしれません。同社の優位性は拡張性の高さと多機能となっていることだそうです。


上場承認時点で業績が拡大し、コロナ禍も終焉、そしてインバウンド期待が高まっているため上場タイミングは悪くありません。


業績規模が小さいことは残念ですが個人投資家を中心とした需要が期待できそうです。


今後はグローバル決済の仕組みとの連携、決済通貨の設定や時差を踏まえた現地時間の対応、顧客予約画面や管理画面等の多言語対応、宿泊システム(PMS)連携などに力を入れるそうです!


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