東海道リート投資法人(2989)のIPOが東証REIT(リート)に新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も事業内容や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はみずほ証券と大和証券証券が共同で務め公開口数162,860口、オーバーアロットメント8,140口です。上場規模は想定発行価格96,000円から計算すると約164.2億円(見込金額)になります。


東海道リート投資法人(2989)IPOの初値予想と上場
※東海道リート投資法人の目論見引用


リートIPOがしばらく登場していなかったためさかのぼって調べると、2020年2月20日にジャパン・インフラファンド投資法人(9287)が上場しています。空白期間は1年4ヶ月になります。


ただインフラファンドなので今回のような通常のREIT(リート)を調べると、2019年12月10日SOSiLA物流リート投資法人(2979)となっていました。そのため1年6ヶ月程度期間があくことになります。


これも全ては新型コロナウイルス感染症の影響だと考えられます。ここ数年は1年間に複数本のリートが上場していたためです。


ただ初値で利益がでるのか?と考えている投資家も多いと思います。


ちなみにSOSiLA物流リート投資法人の上昇率は公開価格103,000円に対して初値112,500円となり上昇率は9.22%でした。吸収額は526.7億円でSMBC日興証券主幹事です。


東海道リート投資法人の上場規模はリートとしてそれほど大きくないため公開価格割れはないかもしれませんが、損したくない方は参加を見送るのが賢明かもしれません!!


東海道リート投資法人(2989)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場東証REIT(リート)
決算期1月末、7月末
資産運用会社東海道リート・マネジメント
会計監査人太陽有限責任監査法人
投資法人の概要日本の東西中心地をつなぐ東海道地域の安定資産に投資するJ-REIT
上場予定6月22日
ブックビルディング期間6月07日~6月11日
想定価格96,000円
※算出方法の問題で本来は仮定価格10万円
仮条件98,000円~100,000円
公開価格100,000円
初値結果101,500円(公開価格1.015倍)
企業情報(メインスポンサー)ヨシコン株式会社


【手取金の使途】

一般募集における手取金156億円については、後記「第二部ファンド情報 第1 ファンドの状況 2投資方針 (2)投資対象 ③取得済資産及び取得予定資産の概要」に記載の本投資法人が取得を予定している特定資産(投信法第2条第1項における意味を有します)の取得資金の一部に充当する予定です。

また、調達する資金については支出するまでの間、金融機関に預け入れる予定

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募口数162,860口
売出口数0口
公開口数(合計)162,860口
オーバーアロットメント8,140口
上場時発行済み口数176,800口(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約169.7億円
幹事団みずほ証券(共同主幹事)
大和証券(共同主幹事)
静銀ティーエム証券
SMBC日興証券
マネックス証券
東海東京証券
委託幹事CONNECT(コネクト)


東海道リート投資法人(2989)上場評判とIPO分析

想定発行価格96,000円を基に吸収金額を算出すると約156.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約164.2億円規模の上場となります。※仮条件が引上げられ最大で171.0億円の吸収となります


過去のリートと比べると上場規模(吸収額)は小さいほうになります。


東海道リート投資法人(2989)IPOの上場評判
※有価証券届出書引用


東海道リート投資法人は、東海道地域等の中でも特に静岡を核とする産業地域に存する物流施設や、企業がその活動基盤としテナントとなって活用する産業系施設などに注力しています。


また、産業・物流適地の底地を含めた産業インフラアセットや、東海道地域等に基盤を置く企業や人々の生活を支える住居及び生活必需品を扱う配送・販売に適した立地にある底地などの生活インフラアセットに投資することで、安定的なポートフォリオ構築と成長を図ります。


目論見によれば以下のようなポートフォリオ構成になるそうです。


  • 住居系アセット27.1%
  • 底地アセット39.4%
  • 物流アセット20.5%
  • 産業・ビジネスアセット12.9%


取得予定の資産規模は303億円になり鑑定評価329億円を予定しています。鑑定NOI利回りは5.6%で償却後NOI利回りが4.9%になります。


静岡を核とする産業地域に投資を行い、「産業インフラアセット33.5%」「生活インフラアセット66.5%」の資産構成を予定しています。


日本の東西中心地をつなぐ大動脈である東海道地域及び東海道周辺地域に着目し、その中でも日本を代表する産業集積を誇る静岡を核とする産業地域への重点投資を行うそうです。


東海道地域は日本の中心部として、静岡を核とする産業地域では東京や大阪の中央に位置するため、産業地域と考えた場合に資源加工や消費地配送に適した好立地だそうです。


東海道に沿った一連の地域には、第二次産業の集積を背景に人口が集積しており、地域の生活を支える生活基盤が必要とされている地域のようです。


【LTVとは】
J-REITは、一般企業と同様に資本効率を高めるため借入金(負債)によるレバレッジ効果を利用しています。一般企業の場合は、D/Eレシオで負債比率を判断することが多くなっていますが、J-REITの場合は借入金比率(LTV=Loan To Value、以下LTV)を投資指標として使う場合が大半です。

J-REITのLTVは「総資産LTV=借入金÷総資産」で算出する場合が多くなっています。また総資産LTVと併せて「鑑定額LTV=借入金÷(総資産±保有不動産の含み損益)」を開示している銘柄もあります。総資産LTVも鑑定額LTVも決算期の数値を利用するものですが、J-REITは銘柄によって決算期が異なるため銘柄間の比較をする場合には、「取得額LTV=借入金÷保有不動産取得額」を利用する場合もあります。※SBI証券引用

【NOI利回りとは】
不動産の収益率を示す指標。数値が高いほど収益率が高い不動産となる。J-REITの場合は、NOI利回り=年換算NOI÷期末簿価、または年換算NOI÷不動産取得額で算出される場合が多い。※ジャパンREIT用語集引用


東海道リート投資法人(2989)の運用実績などを調べてみました

東海道リート投資法人の産業系スポンサーとしてヨシコン株式会社がメインスポーンサーとなっています。保有率の高いスポンサーがいるわけではなく、寄り集まって同投資法人を上場させるようです。


東海道リート投資法人(2989)IPOのスポンサー
※有価証券届出書引用


【スポンサー】
  • ヨシコン
  • 静岡銀行
  • 静岡不動産
  • 静岡ガス
  • 中部電力ミライズ
  • 清和海運
  • 鈴与
  • 木内建設
  • 日本国土開発


知名度的にやや不安だと感じるため、利益目的でリートIPOで勝負を挑むと痛い目を見そうな気がします。分配金次第のところはありますが、参加しないほうが賢明かもしれません。


ある程度株価が落ち着いてから参戦しても遅くないと思います。ただ直近のリート指数の上昇により多くの銘柄の株価が上がっている状況があります。リート指数はコロナ禍以前に戻っていませんがかなり戻している状況となっています。


同投資法人は「産業地域」におけるCRE提案による開発で、パイプラインを継続的に拡大するそうです。これらにより企業が保有する不動産を圧縮し、本業により集中できる環境となり、より成長できる体制が構築されるとあります。


目論見にはスポンサーによるCREニーズを活用した開発事例が掲載されています。


だったらCREロジスティクスファンド投資法人(3487)のほうが安心できそうです。ただCREロジスティクスファンド投資法人は高値にあるため手が出しずらいかもしれません。利回り4%程度となっています。


余談となりますが、東証REIT指数が2,000ポイントを超えてきたため警戒したほうがよいと言うレポートも出ているようです。コロナ禍が長期化している影響により徐々にJ-REITの賃貸収益に悪影響を及ぼしているそうです。


一部のリートだけなのかもしれませんが、緊急事態宣言が何度も出ている環境下なのでいつ相場全体が下落してもおかしくないでしょう。コロナ禍で購入した一部の投資家が売りに転じここ連日下げているのでは?とも考えられます。


東海道リート投資法人の上場タイミングとしては悪くないと思いますが、積極的に買われるような展開は期待しにくいと個人的に考えています。超割安になれば参戦したいと思います!


東海道リート投資法人(2989)の初値予想と分配金(利回り)情報

会社設立は2021年2月01日、東京都千代田区永田町二丁目14番3号に本社を構えます。


執行役員は江川洋一氏になり静岡銀行で経験を積み静銀リース執行役員、ヨシコン入社、東海道リート・マネジメント代表取締役社長などの経歴となっています。


仮条件前の初値予想は下記数値を予想します。大手予想の発表後に修正値を追記します。


初値予想90,000円~100,000円
修正値93,100円~100,000円

※注目度C、修正値は2021年6月07日に追記


公開価格割れ方向に考えています。仮条件の引下げや分配金の状況により修正を行いたいと思います。


有料レポートの公開後に最終的な参加スタンスを決定するつもりです。現段階では積極的に参加するつもりはありません。


またヨシコン株式会社が主体となっていますが、出資割合は10.4%と低いんですよね。


【目論見抜粋】
本投資法人のスポンサーは上場時において本投資法人の発行済投資口数の約10.4%を保有する見込みです。本投資法人の投資主の利益とスポンサーの利益を一致させることで、相互の利益向上を図る運用を行うことにより、本投資法人の投資主価値の最大化を目指します。


分配金(利回り)についてはわかり次第追記します。しばらくお待ちください。


分配期1口分配金
2022年1月期2,150円
2022年7月期3,186円
2023年1月期3,217円
※2021年5月28日に予想分配金を調べ追記しています


2022年1月期は2021年6月22日~1月までの約7ヶ月間の数値になります。想定ベースの利回りは株価96,000円算出で約5.56%になります。


仮条件範囲の98,000円~100,000円で分配金を再計算したところ約5.44%~約5.34%に低下しました。


また上場後ある程度すれば109,000円~110,000円になる可能性があるようです。価格算出はプロが算出した妥当価格になります。地合いにより株価変動となるため何とも言えませんけどね。


東海道リート投資法人(2989)幹事引受け株数を調べました

東海道リート投資法人の引受け株数は後日掲載したいと思います。


幹事名割当株数引受割合
みずほ証券(共同主幹事)114,002口70.00%
大和証券(共同主幹事)32,572口20.00%
静銀ティーエム証券8,143口5.00%
SMBC日興証券4,885口3.00%
マネックス証券1,629口1.00%
東海東京証券1,629口1.00%


当選を狙うのであればみずほ証券から抽選に参加しておきましょう。支店経由の参加だと即売すると嫌われるかもしれません。みずほ証券に限った事ではありませんけどね。


みずほ証券は一般募集の事務主幹事会社となっているため取扱い口数が多いはずです。その次が大和証券でしょう。リートの取扱いもコネクトであるのか興味津々です。


SMBC日興証券ではIPO抽選でキャンセルを行うとペナルティーとして1ヶ月間IPOの抽選に参加できません。ちなみに三菱UFJモルガン・スタンレー証券でも行われています。先日仲の良い方がペナルティーを頂いていたようです!!




またネット証券のマネックス証券が幹事入りしているため珍しいと思いました。リートIPOでネット証券が幹事入りする時代なんですよね。


微妙なREIT(リート)に投資を行うくらいならクラウドファンディングへの投資も面白いと思います。個人的には400万円以上を運用しているため好きな投資です。


先日はFunds(ファンズ)で新ファンドの発表が行われたため投資を行ってみました。抽選と先着方式の2つ用意されているため抽選だと気軽に投資できます。


先着だと開示時間を過ぎると投資枠が埋まることが多くなります。詳しくは下記記事でまとめています!




また、TECROWD(テクラウド)さんにインタビューすることになりました。材料を集めて今回も攻めた質問を行ってみたいと思います。


海外のファンドへ気軽に投資できる時代になり面白いと感じます。事業については下記記事でまとめています。よかったら下記記事も参考にしてください。




REIT(リート)指数と直近上場のリートIPOの結果を考察!

REIT(リート)指数を確認してみたいと思います。上記では2,000ポイントが節目のように書きましたが丁度2,000ポイントあたりを推移しています。


REIT(リート)指数2021年5月
※SBI証券公式サイト引用(2021年5月15日)


上記チャートで暴落している箇所が新型コロナウイルス感染症が世界で広がり始めた時期です。2ヶ月くらい超下落したため、冷や冷やした方が多かったと思います。


最終的には1,200ポイントあたりで折り返し、2,000ポイントあたりを推移しています。実態が改善しないまま株価が好調に推移する状況となっているように感じます。現在は一時的に下げているだけだと願いたいですよね。


また過去のリートIPOの初値状況を調べてみました。


銘柄公開価格初値結果
エスコンジャパンリート(2971)101,000円97,200円(-3.8%)
エネクス・インフラ(9286)92,000円88,300円(-4.0%)
サンケイリアルエステート(2972)100,000円97,000円(-3.0%)
SOSiLA物流リート(2979)103,000円112,500円(+9.22%)
ジャパン・インフラファンド(9287)95,000円101,000円(+6.32%)


直近2銘柄はプラスとなっていますが、2019年のリートはインフラリートを含めほぼ公募割れしています。SOSiLA物流リートだけプラスでした。


今回はどうなるでしょか?SOSiLA物流リートは住友商事グループのため安心感があったと思います。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。

仮条件発表後の個人的な意見を追記!地方型リートは選択肢にない

仮条件が98,000円~100,000円に決定しました。吸収金額はオーバーアロットメントを含め約167.6億円~171.0億円になります。


思いのほかディスカウントされずに驚きました。東証REIT指数が新型コロナウイルス感染症前の水準まで戻りつつあるため相場全体を考慮したものかもしれません。


静岡を中心に愛知県と三重県の東海道エリアに投資を行う地方型のリートです。セイムボード出資を行うのはヨシコシのみになり、上場により1万2,560口が割り当てられます。


単純にスポーンサーの力不足のように感じますし、東海地方だけで固められたポートフォリオのため東海地震などによるリスクも考えられます。全国規模のリートであればリスク分散も可能だともいますが、東海道エリア限定の投資となり他の銘柄よりも地震のリスクは高いでしょう。


東海道リート投資法人(2989)リートのIPO考察


また同リートが保有する物件は新しい住居型アセットも確認できますが、築年数が10年以上経過しているものも多く、産業・ビジネスアセットの「ミッドビルディング四日市」に至っては30年以上経過しています。


底値の「浜松プラザ」に関しては他社リート運用も過去にあったようですが、最終的に売却に追い込まれたようです。


この辺りを考えると地場企業なので上手くやれそうですが、あまり良いイメージはありません。新築物件の住居型アセットも学生が利用するため入居率の問題も出ているようです。


さらに読者の方からの情報ではスポンサーを好まない方もいる事がわかりました。私は遠く離れている九州に住んでいるためわかりませんが、生の情報も頂きました。主観が入っているかもしれませんが誰かの参考になるでしょう。


逆に利回り面で魅力的だと考えている投資家も複数いる事がわかりました。投資家にしてみれば上手く同投資法人で利益を出せればよいわけですからね。


私の投資スタンスは1口当選できればと考えています。完全にスルーすることはありませんが、どうせ買うなら安心できる銘柄を買いたいと思います。これまでもリートIPOは何度も初値売却せずに資金を長期にわたり拘束されたことがあります。


結果的に利益を出せていますが長期戦だと資金効率が悪くなると考えています。資金に余裕があれば長期投資は魅力だと思います!


東海道リート投資法人(2989)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

東海道リート投資法人について調べてみました。ただ積極的に申込める材料があまりないと感じているため仮条件と分配金(利回り)のリターン待ちになります。


上場承認(新規公開株)の材料だけでは不人気なのでは?と感じています。


東海道リート投資法人(2989)IPOの評価
※東海道リート投資法人の目論見引用


LTVの条件については原則として60%を上限としますが、運営上は40%~50%を目安に運用するそうです。また格付けはなく日銀が買い付けるようなリートではなさそうです。


スポンサーのヨシコンは、産業インフラアセットから生活インフラアセットにわたり、「産業地域」において多様なアセットでの投資運用・開発実績を有しているそうです。


今時期だと物流リートであれば人気かもしれませんが、複合型もしくは総合型リートですよね。分配金が5%~6%程度見込めればある程度の買いが発生しそうです。ただ利回り3%~4%程度だと激不人気なのかな?と考えています。


超得!融資型クラウドファンディングで定評があるバンカーズで大型のキャンペーンが行われています。


口座開設を行うとAmazonギフト券が2,000円分貰えるためこの機会を利用したほうがよいでしょう。松井証券が株主であり複数の上場企業やVCが同社へ出資を行っています。


期間が今月末までなので急いだほうがよさそうです。私も投資を行い4ヶ月~5ヶ月経過しています!!


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