クオリプス(4894)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。赤字バイオベンチャー企業なので悩ましいIPOが登場しました。


主幹事は野村證券が務め公開株数2,200,000株、オーバーアロットメント330,000株です。上場規模は想定発行価格1,560円から計算すると約39.5億円になります。


クオリプス(4894)IPOが上場承認 
※クオリプス公式サイト引用


ヒトiPS細胞由来の再生医療等製品の開発・商業化等を行う企業になります。


このような銘柄は機関投資家の判断待ちだと思います。余程詳しくなければ承認データで投資を行うのか判断できないと思います。


前期(2022年3月期)の純損失は過去最高の3.75億円となっています。既に売上が上がっていると目論見で強調されていますが、黒字化できる見通しがあるのか現時点で全くわかりません!


直近でヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製品製造体制の確立を目指すようですが、成功できるのかわかりませんからね。


クオリプス(4894)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日6月27日
市場グロース市場
業種医薬品
事業内容 再生医療等製品、特定細胞加工物の研究、開発、製造、販売、再生医療等製品、特定細胞加工物に係る受託開発製造サービス及びコンサルティング業務
ブックビルディング6月09日~6月15日
想定価格1,560円
仮条件1,400円~1,560円
公開価格1,560円
初値結果1,680円(公開価格1.08倍)
企業情報https://cuorips.co.jp/
監査人有限責任あずさ監査法人
手取金の使途
  • 運転資金
  • 設備資金


項目株数データ
公募株数1,700,000株
売出株数500,000株
公開株数(合計)2,200,000株
オーバーアロットメント330,000株
上場時発行済み株数7,557,916株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約117.9億円
幹事団野村證券(主幹事)
SBI証券
松井証券
委託見込LINE証券
SBIネオトレード証券


クオリプス(4894)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,560円を基に吸収金額を算出すると約34.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約39.5億円規模の上場となります。


クオリプスは設立以来、ヒトiPS細胞由来の再生医療等製品の開発・商業化及び独自の設計コンセプトに基づくラボ一体型の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を利用した製造開発受託(CDMO)事業を行っています。


ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートはiPS細胞から心筋細胞への分化誘導を経て、大量作製及びシート化等の独自技術を用いて作製するものだそうです。


現在の内科的治療では治癒しない重症心不全の治療を目的とした再生医療等製品です。


同社の作製するヒトiPS細胞由来心筋細胞シートは、他の再生医療等製品と比べ構成する細胞数が多いため、iPS細胞を大量にかつ同時に心筋細胞へ分化誘導することは高い難易度が要求されるそうです。


クオリプス(4894)の業績
※有価証券届出書引用


同社はiPS細胞を大量の心筋細胞に分化誘導を行い、残存する未分化の細胞を検出限界以下のレベルまで高度に除去することにより、心筋細胞を高純度に精製するという技術を有しています。


これらの細胞培養技術を活用してベンチャー企業等へのCDMO事業を行っております。


ベンチャー企業としては独自性の高い事業構成を有しており、再生医療等製品承認前にも関わらず売上を計上しています。


クオリプスIPOのパイプライン
※有価証券届出書引用


事業モデルは自社研究、大学等の研究機関及び大手製薬企業等との共同研究を通じて、心臓及びそれ以外の領域に係る再生医療等製品の提供及びCLiC-1を利用したCDMO事業を行います。


主要製品であるヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの事業モデルは、大学、大手製薬企業との共同研究を通じて得られた発明、ノウハウ等の成果物に対しては同社が実施権の許諾を受け製造販売を行います。


大阪大学から取得した再実施許諾権付の独占的実施権及び第一三共株式会社と同社間で締結した共同研究開発契約から発生した成果物、及び第一三共株式会社が保有しているシート化精製技術等を組合せ、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造・販売を行う事業です。


クオリプスIPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


事業モデルの特徴としては大阪大学との共同研究開発により培った開発ノウハウ、大手製薬企業、医療機器メーカー等との共同研究開発アライアンス、


高度な管理技術に基づく最先端の心筋細胞シート製造技術、シーズから商用生産レベルまで一貫して開発した細胞培養技術ノウハウ、という4点を強みとしています。


PJ1では臨床試験を行っているためこの辺りが評価されれば買われるかもしれません。とりあえず大手レポート待ちですね。


クオリプス(4894)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2017年3月21日、東京都中央区日本橋本町三丁目11番5号日本橋ライフサイエンスビルディング2、507に本社を構えます。


社長は草薙尊之氏(1958年12月17日生まれ)、株式保有率は2.24%(142,050株)です。みずほ銀行やみずほ証券などに入社されています。


2020年4月に同社アドバイザーとなり、同年6月に取締役、同年8月に代表取締役社長になられています。ポジション移動が早いですね。


従業員数46人で臨時雇用者6人、平均年齢44.1歳、平均勤続年数2.3年、平均年間給与5,805,358円です。


セグメントは再生医療等製品事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
第一三共株式会社1,000,000株15.75%
イノベーション京都2016投資事業有限責任組合580,000株9.13%
テルモ株式会社530,000株8.35%
大幸薬品株式会社500,000株7.87%
SBI Ventures Two株式会社500,000株7.87%
JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合500,000株7.87%
澤 芳樹458,800株7.22%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には90日間(2023年9月24日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


ベンチャーキャピタル(VC)等に対しては90日間のロックアップ付与、発行価格の2倍以上でロックアップが解除されることとなっています。


上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、普通株式の割当を受けた者(クオリプス従業員持株会)及び新株予約権割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは取得金額5,000千円に相当する株式数を上限として実施される予定となっています。販売先は従業員持株会です。


クオリプス(4894)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,400円~1,560円に決定し想定発行価格が上限となっています。これに伴い吸収金額は最大で約39.5億円、時価総額約117.9億円のままになります。


観測ではPJ1が治験終盤となっており早期承認制度により上市が近いと言われています。そのため期待先行で買われるようです。


現時点で赤字バイオであることは間違いありませんが、既に移植された第1症例では経過が良好に推移しているようです。そのため早期承認となった場合のインパクトは強烈なものになる可能性があります。


パイプラインは5本あり、そのうちの1本(PJ1)が臨床試験後半で患者への移植を終え経過観察の段階となっています。他のパイプラインはまだまだ時間が必要みたいです。


大手初値予想2,000円前後
修正値1,800円~2,000円
最終予想1,900円

※注目度B


業績を確認すると2024年3月期の単独予想を確認することができました。売上2.15億円となり前期比465.79%増、経常利益-12.46億円となり前期-4.50億円から赤字が拡大します。


四半期利益は-12.49億円となり前期-4.52億円から大幅に赤字額が増加します!


公開価格が1,560円決定の場合の指標はEPS-174.50からPERは算出不可、BPS610.53からPBR2.56倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


日経平均が高く推移しているものの仮条件が下限方向に引き下げられたのはネガティブサプライズなのかもしれません。機関投資家も慎重姿勢なのかもしれませんね。


初値は地合いの影響を大きく受けると考えられます。投資家が弱気姿勢に転じた場合は公開価格程度の初値となる可能性がありそうです。


損したくない方は赤字バイオへの投資はお勧めしません!!


幹事名割当株数引受割合
野村證券(主幹事)2,024,000株92.00%
SBI証券165,000株7.50%
松井証券11,000株0.50%


引受幹事が少なく驚いています。上場規模もそれなりに大きいため詳しく調べる必要がありそうです。


売上は上がっているようですが赤字体質の企業のためIPO抽選に参加される方は注意しておきましょう。


当選を狙うのであれば全ての証券会社から申込めば当選できるかもしれません。現段階では当選確率が高いと考えています。赤字バイオベンチャー企業ですからね。


kimukimu

リスクある投資になるかもしれません!



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類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
セルソース(4880)PER50.18倍PBR13.80倍
リプロセル(4978)PER167.22倍PBR3.38倍
セルシード(7776)PER-倍PBR6.69倍
※2023年6月12日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2021年10月11日~2031年10月10日387,850株1,027円
2024年3月01日~2031年10月11日12,100株1,000円
2022年8月12日~2032年8月11日30,500株1,438円
本新株予約権の目的である普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場した日から2年後の応当日の翌日から2032年8月12日まで77,500株1,400円


ストックオプション(新株予約権)は507,950株が上場時に行使期限を迎えます。


ただし418,350株については契約上ノックアウト条項が付された新株予約権になります。


発行済株式総数5,857,916株に対する新株予約権の割合は8.7%に相当します。新株予約権による潜在株式数は507,950株です。



クオリプス(4894)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

クオリプスのIPOは仮条件が発表されてから申込みスタンスを決定したいと思います。


現時点では赤字バイオで吸収金額が大きいため上場中止もあり得るのかも?と何となく感じます。


クオリプス(4894)IPOのまとめ
※クオリプス公式サイト引用


同社は再生医療等製品としての製造販売の承認を目指している企業です。次世代の革新的な細胞治療モダリティを提供したいとあります。


ただ夢だけでは株価が昇らないため将来性は必要です。と言うことでまずは赤字縮小ですよね。


一応、従来の創薬系バイオベンチャー企業が直面する、安定的な売上が計上されないまま研究開発費が先行する企業とは異なる経営を目指しているとあります。


上場したら何が変わるのか?上場による手取金の使途は運転資金と設備資金となっています。多くは新規パイプラインの拡充に利用されるようですね。海外向けにも資金が使われる予定です。


どうも今すぐ結果が出るような感じではなさそうです。


ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認の取得ができれば先が見えそうな状況でしょうか。


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