ビジネスコーチ(9562)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。業績が前期から急激に伸び吸収金額が少ないため初値利益が狙えそうです。


主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数265,900株、オーバーアロットメント39,800株です。上場規模は想定発行価格2,070円から計算すると約6.3億円になります。


ビジネスコーチ(9562)IPOが上場承認
※ビジネスコーチ公式サイト引用


現時点で1対n型コーチングが収益の柱となっており、今後は1対1型コーチングを伸長させる狙いがあるそうです。


人材開発投資の投資効果測定は非常に難しい課題となっており、1対n型で人材開発投資をしても、プログラム参加者の学習理解度、習得内容の利用機会の有無などにより成果が出ているのか把握することが難しいようです。


ただ売上が伸びているということは需要があると言うことなので、トップマネジメントやビジネスパーソンからの依頼が増えていると考えられます。


同社の「1対n型コーチング」とは1on1ミーティング(上司と部下が、部下の成長支援のために定期的に実施するミーティング)で行われます。


コーチング対象者である管理職等が、部下(後輩)などの関わりを通して、成長支援、目標達成、問題解決、技能向上の促進を援助するコミュニケーションを行った後、


部下の中にある意思やアイデア、能力、魅力等に気づかせ、そして引き出す関わりを実践することなどを習得することを目的としています。


ビジネスコーチ(9562)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日10月20日
市場グロース市場
業種サービス業
事業内容トップマネジメントからビジネスパーソンまでを対象としたビジネスコーチング及び人的資本開発に関するプログラムの提供
ブックビルディング10月04日~10月11日
想定価格2,070円
仮条件1,910円~2,070円
公開価格2,070円
初値結果4,155円(公開価格2.01倍)
企業情報https://www.businesscoach.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途
  • 人件費
  • クラウドコーチングシステム追加開発費
  • コーチの品質向上に資する本社設備の設置費


項目株数データ
公募株数136,000株
売出株数129,900株
公開株数(合計)265,900株
オーバーアロットメント39,800株
上場時発行済み株数1,104,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約22.9億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事)
SBI証券
岡三証券
マネックス証券
楽天証券
委託見込岡三オンライン
DMM.com証券


ビジネスコーチ(9562)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格2,070円を基に吸収金額を算出すると約5.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.3億円規模の上場となります。


同社はビジネスコーチングを中心とした人材開発事業を主な事業として取組み、人と組織の生産性向上支援に向けた最適なビジネスコーチングを提供しています。


一人ひとりのビジネス目標達成のための行動変容を支援し、きめ細かなフォローアップで研修とは一線を画すサービスを提供しているそうです。


ビジネスコーチの業績
※有価証券届出書引用


ビジネスコーチングには、一人のコーチが一人のクライアントに対してコーチングを実施する1対1型が基本的なサービス提供形態になります。


まず、クライアント個人の業務上の課題解決に関する質問等のコーチングプロセスを実施します。


そして、コーチがクライアントの中にある意思やアイデア、能力、魅力等に気づかせ引き出すことで、クライアントが必要とする行動変容が習慣化し、成果を実現するまで支援することを目的としています。


ビジネスコーチIPOのフォローアップビジネスの詳細
※有価証券届出書引用


この他、一人のコーチがクライアントのグループに対してコーチングを実施する1対n型も行います。


コーチはグループ共通の課題に対して質問等のコーチングプロセスを実施し、クライアントは自分自身の考えだけでなく、他者の考えも聞くことでより多様な「気づき」を引き出すコーチングの提供形態になります。


上記図のようにフェーズ1からフェーズ3までステージが用意されています。


ビジネスコーチIPOの生産と受注及び販売の実績
※有価証券届出書引用


人材開発市場ではコロナ禍などによりテレワーク環境が多くなった結果、組織内コミュニケーションの課題が具現化し、その解決策としてコーチングの理論と技術を活用した1on1ミーティングが注目されているようです。


同社のビジネスコーチングは、安定的な顧客基盤に加えて「コーチ陣の品質」「サービスのカスタマイズ力」「習慣化・定着化のためのフォローアップサービスの充実」などの特徴があり、その特徴が競合他社と比較して優位性となるそうです。


ビジネスコーチ(9562)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2005年4月06日、東京都千代田区麹町二丁目2番地に本社を構えます。社長は細川馨氏(1957年10月15日生まれ)、株式保有率は15.00%(150,000株)です。


従業員数41人で臨時雇用者0人、平均年齢36.4歳、平均勤続年数3.3年、平均年間給与6,286,000円です。


セグメントは人材開発事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
有限会社コーチ・エフ442,000株44.20%
細川 馨150,000株15.00%
橋場 剛96,900株9.69%
田中 広道30,000株3.00%
諸橋 奈々22,000株2.20%
吉田 有20,000株2.00%
菅原 泰男20,000株2.00%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年4月17日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


ロックアップ率が高く新株予約権者にもロックアップが適用されます。


親引けはありません。


ビジネスコーチ(9562)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,910円~2,070円に決定し想定発行価格が上限となりました。上場による吸収金額は最大で約6.3億円になります。


2022年10月のIPOとしては規模が一番小さいため個人投資家の資金が向かいそうです。


米国では法人研修市場のうち、ビジネスコーチングが占める割合が約36%となっています。日本では6.4%のため伸びしろはあると同社では予想しているようです。6.4%を金額で算出すると約310億円程度になります。


ただ実際には米国のジョブ型雇用制度と能力給型報酬制度に対して、日本ではメンバーシップ型雇用制度と年功序列型報酬制度の違いが大きな差を生んでいると考えられます。


そのため日本で同社サービスを利用できる企業は限られるのかもしれません。


短期的な材料としては、首相の岸田文雄氏が5年で1兆円のリスキリング支援を行うと所信表明し関連銘柄に資金が入っています。同社にも関係があると考えられており需要が見込まれています。


日本でのビジネスコーチング系サービスの普及はまだ先だと言われていますが、いずれ同社が目指す環境が出来上がるのかもしれません。


コンサル系のIPOには資金が集中するため今回も期待したいと考えています。ベンチャーキャピタル保有株もないため短期資金が入れば面白いかもしれません。


大手初値予想2,500円~3,000円
修正値3,300円~4,000円
直前予想3,700円

※注目度B


業績を確認すると2022年9月期の単独予想を確認することができました。売上11.30億円となり前期比12.89%増、経常利益2.15億円となり前期比6.52%減となります。


四半期利益は1.44億円となり前期比7.69%減の予想となっています。減益となる要因は営業利益率の悪化や上場費用の負担だと考えられます。


公開価格が2,070円決定の場合の指標はEPS149.06からPER13.89倍、BPS408.86からPBR5.06倍になります。配当が48円設定されているため配当利回り2.32%になります。


2023年9月期の業績予想が発表されていないため初期投資は不安だと思います。


タイミングよくリスキリング支援の話題が出てきているため、上場後数日は賑わう可能性があります。上場日の10月20日は単独上場になり、26日のアトラステクノロジーズ(9563)まで楽しめるかもしれません。


公募組は大きな利益を期待できそうです!


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興証券(主幹事)244,900株92.10%
SBI証券13,200株4.96%
岡三証券2,600株0.98%
マネックス証券2,600株0.98%
楽天証券2,600株0.98%


上場規模が小さくIPOとしては気になる存在ですが、業績水準が低いため初値が倍々になることはないかもしれません。


需要は見込めると思いますが、上場規模が小さいからと言ってIT系の企業みたいな派手さはないと思います。また、公開株数が少ないため当選することは難しそうです。


初値利益は狙えるけれど激戦が予想されます。申込は主幹事を中心として申込んでおきましょう。


資金的な余裕がない場合は主幹事のみ参加しておけばよいと思います。


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類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
リンクアンドモチベーション(2170)PER46.2倍PBR11.88倍
識学(7049)PER-倍PBR1.97倍
セルム(7367)PER17.32倍PBR2.35倍
※2022年10月05日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2018年6月02日~2025年9月30日24,000株600円
2020年6月02日~2027年9月30日8,000株680円


ストックオプション(新株予約権)は32,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数968,000株に対する新株予約権の割合は3.3%に相当します。新株予約権による潜在株式数は32,000株です。


ビジネスコーチ(9562)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

ビジネスコーチのIPOは利益が見込めると思いますが公開株数が少なすぎて当選は難しそうです。


ネット組の当選は厳しいと思いますが、公開価格割れするようなIPOではなさそうなので主幹事からの申込みだけでも行っておきましょう!


当選確率は1%以下になると思います。


ビジネスコーチ(9562)IPOのまとめ
※ビジネスコーチ公式サイト引用


テレワークが当たり前になった現在は同社にとって追い風のようです。公式サイトには誰もが知るような大手の企業名が掲載されています。


主力の1対N型コーチングの需要はあるようですが、人材が集まらなければ1対1型コーチングを伸長させるのは難しいのでは?とも感じます。


また、最適なコーチングになっているかこれまで感覚的にしか判断できないことが多かったそうです。


そのため、動画AI分析や会話音声AI解析により、効果的なコーチングとなるように支援するサービスの開発・販売が行われているそうです。


中堅企業が利用するにはハードルが高そうなイメージがあります。


やはり大手企業が社員のために資金を投下できるくらい儲かっていないと利用できないのか?とも感じます。あとは企業体質に問題がある場合も利用価値がありそうです。


創業以来、ビジネスコーチングを専門的に行ってきた企業となっていますが、競合他社となるのは大手コンサルティング企業や海外コーチング関連ビジネス企業になるようです。


優位性はあると思いますが、まだ日本には浸透していないビジネスだと思います。大企業からコーチングを依頼されれば大きな収益期待はありそうですね。


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