クオリプス(4894)がIPO新規上場)承認発表されましたので、事業内容や考察および初値予想などに関する詳細をご紹介させて頂きます。昨日(5月23日)もまたIPO新規上場承認発表が1社あり、これで6月IPOはちょうど10社となりました。ただ6月はまだ空席があるので、最後の追い込みがありそうです。

IPO新規上場承認発表1社2023.5.23

クオリプス(4894)の上場日は2023年6月27日(火)で、エリッツホールディングス(5533)2社同日上場、上場市場はIPO市場では人気の高い東証グロース市場への上場で、IPO主幹事はIPO申し込み時の前受け金が不要の野村證券となっております。

5月25日(木)追記

5月24日(水)にGSI(5579)が同日上場でIPO新規上場承認発表されたため、6月27日(火)は3社同日上場となります。

クオリプス(4894)のIPO(新規上場)情報

設立:2017年3月21日
業種:医薬品
事業の内容:再生医療等製品、特定細胞加工物の研究、開発、製造、販売再生医療等製品、特定細胞加工物に係る受託開発製造サービス及びコンサルティング業務

クオリプス(4894)IPO上場承認

上場市場東証グロース
コード4894
名称クオリプス
公募株数1,700,000株
売出し株数500,000株
オーバーアロットメント330,000株
IPO主幹事証券野村證券
IPO引受幹事証券SBI証券
松井証券前受け金不要
楽天証券委託幹事決定
IPO発表日5月23日(火)
上場日6月27日(火)
仮条件決定日6月8日(木)
ブック・ビルディング期間6月9日(金)~6月15日(木)
公開価格決定日6月16日(金)
IPO申し込み期間6月19日(月)~6月22日(木)
上場時発行済株式総数7,557,916株
時価総額117.9億円
吸収金額39.4億円
想定価格1,560円(156,000円必要)

公募株式1,700,000株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場(米国及びカナダ除く)の海外投資家にも販売される予定となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、公開価格決定日6月16日(金)に決定されます。

売出株式500,000株のうちの一部は欧州及びアジアを中心とする海外市場(米国及びカナダ除く)の海外投資家にも販売される予定となっており、国内販売株数及び海外販売株数の最終的な内訳は本募集及び引受人の買取引受による売出しの需要状況等を勘案した上で、売出価格決定日6月16日(金)に決定されます。

そしてこのクオリプス(4894)のIPO幹事団(シンジケート)は現時点で3社しかありませんが、IPO主幹事は野村證券となっていることから、グループ会社となるLINE証券IPO委託幹事(裏幹事)となる可能性が高いです。

クオリプス(4894)のIPO(新規上場)事業内容等

クオリプス(4894)はヒトiPS細胞由来の再生医療等製品の開発・商業化及び独自の設計コンセプトに基づくラボ一体型の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を利用したCDMO(製造開発受託)事業を主たる事業としており、自社研究、大学等の研究機関及び大手製薬企業等との共同研究を通じて、心臓及びそれ以外の領域に係る再生医療等製品の提供及びCLiC-1を利用した事業を行っています。

クオリプス(4894)IPOCDMO事業

クオリプス(4894)の主要製品であるヒトiPS細胞由来心筋細胞シートは、iPS細胞から心筋細胞への分化誘導を経て、大量作製及びシート化等の独自技術を用いて作製するもので、現在の内科的治療では治癒しない重症心不全の治療を目的とした再生医療等製品です。

クオリプス(4894)IPOヒトiPS細胞由来心筋細胞シートメリットデメリット

クオリプス(4894)の作製するヒトiPS細胞由来心筋細胞シートは、他の再生医療等製品(研究開発中の再生医療等製品を含む)と比べ、構成する細胞数が多いため、iPS細胞を大量かつ同時に心筋細胞へ分化誘導することは高い難易度が要求されますが、iPS細胞を大量の心筋細胞に分化誘導を行い、残存する未分化の細胞を検出限界以下のレベルまで高度に除去することにより、心筋細胞を高純度に精製するという技術を有しています。


※上記動画再生時は音が出ますので音量にご注意下さい。

【手取金の使途】
手取概算額2,416,840千円については、本募集における海外販売の手取概算額(未定)及び第三者割当増資の手取概算額上限473,616千円と合わせた手取概算額合計上限2,890,456千円を、運転資金及び設備資金に充当する予定であります。
なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する予定であります。
(クオリプスのIPO目論見書より一部抜粋)

クオリプス(4894)のIPO初値予想主観及びIPO参加スタンス

クオリプス(4894)の市場からの吸収金額はIPO想定価格1,560円としてオーバーアロットメント含め39.4億円と規模的に東証グロース市場への上場としては中型サイズとなり、やや荷もたれ感を感じるサイズとなります。IPO株数は公募株及び売り出し株合わせて22,000枚と多めにありますが、海外投資家への販売もあります。

上述の通りクオリプス(4894)の事業内容は再生医療等製品、特定細胞加工物の研究、開発、製造、販売再生医療等製品、特定細胞加工物に係る受託開発製造サービス及びコンサルティング業務ということで、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの開発及び事業化を手掛け、先端医療を基盤に新しい医療を開発する大阪大学発のバイオベンチャーとなります。

ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞を主成分とした他家細胞(患者以外の別の方の細胞)治療薬であり、心臓移植又は補助人工心臓を装着する段階まで悪化していない患者を対象に、シート状に加工された心筋細胞を心臓に移植することで、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されています。

クオリプス(4894)IPOヒトiPS細胞由来心筋細胞シート作製手順

クオリプス(4894)の株主の中にはベンチャーキャピタル(投資ファンド)の保有株が8社2,451,000株ありますが、今回のIPO(新規上場)に際する売り出しでの放出はありません。90日間のロックアップが掛かっていますが、公開価格の2.0倍となれば解除され売却可能となります。

ヒトiPS細胞由来の再生医療ということで将来的な期待(希望)もあり、注目度は高そうですが、設立から間もないバイオベンチャー企業ということで業績は赤字、IPO市場では明暗が分かれる赤字のバイオベンチャーとなります。特にこのクオリプス(4894)のような販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する製造及び開発系のバイオベンチャーは研究開発に掛かる先行投資として長期に渡り多額の資金が必要となるため、売上はあるものの、黒字化の目途は依然として不明です。

クオリプス(4894)の公開規模はIPO想定価格(1,560円)ベースで39.4億円と東証グロース市場への上場としては荷もたれ感があり、上場日も6月27日(火)でややタイトなスケジュールの中での上場となります。海外投資家への販売もあり、IPO主幹事はマンモス野村となることから公募割れしないよう対策を講じて来るとは思われますが、地合いによっては期待外れとなる可能性も否めません。ひとまずの初値評価はD級評価が無難なところでしょうか。

いずれにしてもこの内容と規模になると、すぐすぐのIPO参加スタンスの決定は難しいため、現時点での管理人の個人的なこのクオリプス(4894)のIPO参加スタンスは中立で、今後のIPO地合いはもちろんのこと、海外投資家の人気度合い、そしてやはり大手初値予想会社の見解を見てから決めたいと思います。

クオリプス(4894)のIPO(新規上場)業績等

クオリプス(4894)のIPO経営指標
クオリプス(4894)IPO経営指標

クオリプス(4894)のIPO売上高及び経常損失
クオリプス(4894)IPO売上高及び経常損失

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