米雇用統計発表後のNY市場の動き(2023年9月2日)

2023年9月2日

 8月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の17.0万人増を上回る18.7万人増、失業率は予想の3.5%から悪化して2022年2月以来の3.8%、平均時給は前月比・前年同月比共に予想を下回る結果でした。
発表直後は株買い・ドル売りでしたが、その後発表された8月PMIや8月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことやクリーブランド連銀のメスター総裁発言を受けて金融引き締めが長引くとの警戒から株売り・ドル買いの流れとなりました。

・NY株は8月雇用統計で失業率が予想よりも悪化して2022年2月以来の高水準だったことでFRBの追加利上げ観測が後退して株が買われて一時ダウは250ドル高まで上昇しました。
しかしその後発表された8月PMIや8月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことやクリーブランド連銀のメスター総裁が講演で失業率の低さに言及し、「労働市場は需給がより均衡してきたが、依然として強い」と指摘したことで金融引き締めが長引くとの警戒が高まって売りが増えてダウは$115高、ナスは0.02%安で引けました。

・日経ナイトは雇用統計発表直後に32,660-710で小幅に振った後、22:20に32,760まで上昇しましたが、その後は動きが乏しくなり32,760(+60)△0.18%で引けました。

・ドル円は雇用統計発表直後に145.13から144.49まで下落しましたが、その後発表された8月PMIや8月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことやクリーブランド連銀メスター総裁の「インフレは一定の進展があるものの、依然として高すぎる」「失業率は3.8%と依然として低い」との発言を受けてドル買いの流れとなり01:00には146.29まで早いペースで上昇し、146.26でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは雇用統計発表後に債券が買われて利回りは低下しましたが、その後発表された8月米ISM製造業景況指数などが予想を上回ったことやクリーブランド連銀メスター総裁のタカ派的な発言を受けて債券が売られて利回りは上昇し、4.181%でNYクローズとなりました。

結果
21:30 8月非農業部門雇用者数 予想:+17.0万人 結果:+18.7万人 (前回:+18.7万人 修正値:+15.7万人)
21:30 8月失業率 予想:3.5% 結果:3.8% (前回:3.5%)
21:30 8月平均時給 (前月比) 予想:+0.3% 結果:+0.2% (前回:+0.4%)
21:30 8月平均時給 (前年同月比) 予想:+4.4% 結果:+4.3% (前回:+4.4%)

 

 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW   34,837.71(+115.80)
NASDAQ   14,031.81(-3.15)
・昨日のNY株は8月雇用統計で失業率が予想よりも悪化して2022年2月以来の高水準だったことでFRBの追加利上げ観測が後退して株が買われて一時ダウは250ドル高まで上昇しました。
しかしその後発表された8月米ISM製造業景況指数などが予想を上回ったことやクリーブランド連銀のメスター総裁が講演で失業率の低さに言及し、「労働市場は需給がより均衡してきたが、依然として強い」と指摘したことで金融引き締めが長引くとの警戒が高まって売りが増えてダウは$115高、ナスは0.02%安で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

日経先物(夜間)
・日経ナイトは32,680で寄り付き、32,630-750で上下し、21:30の雇用統計の時は32,700でした。
発表直後に32,660-710で小幅に振った後、22:20に32,760まで上昇しましたが、その後は動きが乏しくなり32,760(+60)△0.18%で引けました。
CME日経225先物は32,760でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・欧州時間序盤は145.40-50での小動きが続き、20:50から下げ出して21:30の雇用統計の時は145.13でした。
発表直後に145.13から144.49まで下落しましたが、その後発表された8月PMIや8月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことやクリーブランド連銀メスター総裁の「インフレは一定の進展があるものの、依然として高すぎる」「失業率は3.8%と依然として低い」との発言を受けてドル買いの流れとなり01:00には146.29まで早いペースで上昇しました。
その後は146.05-20でのこう着が続いて146.26でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
・8月雇用統計発表後に債券が買われて利回りは低下しましたが、その後発表された8月米ISM製造業景況指数などが予想を上回ったことやクリーブランド連銀メスター総裁のタカ派的な発言を受けて債券が売られて利回りは上昇し、4.181%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足