40歳からの妊活。出生前診断(NIPT)はどうするか、どこでするか?

*妊活関係の露骨な表現が含まれますので苦手な方はここで閉じて下さい。

 

我が家は何故か、40歳を超えるくらいになってPuchi(パートナー)の意向で妊活が始まった。既に何度かタイミング法を試したもののカスリもせず、

ブライダルチェックでは、

 Tochi(精子サイド)・・数が少ない、形が悪い、性ホルモンが少ない

 Puchi(卵子サイド)・・卵管の片方が詰まってる、頸管粘液が足りない

ダメダメだったのだが、初めての人工授精で奇跡的に妊娠した。

40歳からの妊活。人工授精で一発妊娠!その感想や如何に?

 

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 出生前診断、やる? 

40歳ともなると妊娠確率が大幅に低下するのに加え、流産率は大幅に上昇し、仮に生まれてもダウン症を初めとする先天性疾患の確率が大幅に上昇する。

 

我が家は高齢出産になるし、もし自分が胎児の立場で選択が出来るなら、正常でも生きるのが困難な世界に障害を持ってまで生まれたいとは思わないので、深刻な障害があると確定した場合は堕ろすことを前提に出生前診断をやることにした。

とは言え、実際にお腹に子供がいる女性の立場なら「せっかく出来た子供を堕ろすなんて絶対あり得ない!そんなの殺人と一緒だ!うぎゃ~&$#」とか言いそうで心配だったが、この点に関してはPuchi(妻)もたまたま似た考えで(但し育てる自信がないというのが理由)、喧嘩にもならずにあっさりと同意が得られた(ホッ…)

 

 NIPTって何? 

ダウン症はエコー検査や羊水検査でも検出が可能だが、エコー検査は診断精度に問題があったり、羊水検査は侵襲的であったりと問題がある。

最近ではこれらの技術的な問題をかなり改善した非侵襲的(血液だけ)で、10週には検査が可能なNIPTなる手法がある様だ。

 

この方法は、母親の血液から子供の胎盤由来のセルフリーDNAを含む血漿を回収し、HpaIIというメチル化修飾されたDNAのみを切断する酵素で処理することで、メチル化した母体DNAのみを切断する、ないしは抗メチル化抗体を用いた免疫沈降法(抗原を抗体にくっつくビーズ等で濃縮する方法)で、なるべく子供のDNAのみを濃縮して回収する。

次にDNAの配列を調べるのだが、コストの割に極めて精度が高いとされる次世代シーケーンサーを用いる。DNA配列の解析には、スタンダードだが高額なシーケンス法や、相補なDNA配列同士が二本鎖を形成することを利用したマイクロアレイ法があるのだが、次世代シーケーンサーは、短いながらも大量のシーケンスを一度に行うことで、現存する技術の中では最も安価に大量の配列のシーケンスを高精度に行うことが出来る画期的な手法である。

 

 NIPTの問題点、どこでやる? 

NIPTに健康保険が効かないことは問題だが、20万円程度なので妊活費用や養育費用を考えればバカ高いとは言えない(恐ろしや・・)。

この手の検査精度は、サンプルのクオリティーと量が決め手になるが、NIPTのサンプル(血液)はノイズとなる母体由来のDNAが大量に含まれており、しかも子供由来のDNAが極めて少ないことが最大のネックとなる。

これらのサンプルの問題を克服するため、最先端の次世代シーケーンサーを用いるのだが、それでも決して十分に信頼できるとは言い難い精度である。例えば、21・18・13トリソミーのPPV(陽性的中率:検査で陽性だった内、本当に陽性だった割合)は通常60~93%程しかない。余りに低すぎる・・困ったものだ。

 

 

https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/ger-13607dna/

 

いろいろ調べている内、「スーパーNIPT」と銘打ったミネルバクリニックの検査精度がずば抜けていることがわかった。

 

 

スーパーNIPT(恐らくVERACITY)の精度

https://doi.org/10.1186/s13039-019-0446-0

 

21・18トリソミーに関してはPPVが100%であり、陰性適中率(NPV:検査で陰性だった内、本当に陰性だった割合)も100%とのこと。これなら少なくともダウン症のNIPTとしては十分に信頼できる!

少し問題もあって、データ等から推測するに、恐らくスーパーNIPTはキプロスのNIPD Genetics社のVERACITYという製品ぽいのだが、海外なので発送に時間がかかるせいで結果が出るのが他のクリニックより随分遅い(~3日 vs ~14日)。

また、スーパーNIPTの説明では9週から検査可能となっているが、少なくともNIPD Genetics社の説明では10週からとなっており、論文でも9週のデータはほぼ含まれていない(平均13週)。早ければ早いほど得られる子供のDNA比率が少なくノイズが多くなると考えられるので、上の精度に近づけるためには最低でも10週以降である事が望ましいのではないかと推測される。

最悪堕ろすことを考えるとなるべく早いほうが母体への負担が少ないので、検査はなるべく早くしたいし、結果もなるべく早く教えて欲しい。でも早すぎると精度が担保されるのかが疑問だし、結果が出るもの遅い。この点がスーパーNIPTのネックだと言えそうだ。

 

もう一つ引っかかるのは、他のNIPTとスーパーNIPTの違いだ。ざっと見た限りでは次世代シーケーンサーも同じ(Illumina)だし、手法に精度の差を生む様な大きな違いがある様には見えなかった。

もしかしたらシークエンスをするターゲット配列や、ターゲット領域数が微妙に違うことによって精度に差が生まれているのかもしれないし、例えばマイクロアレイでもどの会社で行うかで結果にかなりの差が出るものなので、単に熟練度的な差なのかもしれないが、キプロスという馴染みのない国の会社であること、利害関係のない第三者が比較したデータではないことを踏まえると、この論文のデータをそのまま信頼していいものかが気になった(厳密に言えば普通はダメ)。

とは言え、この会社のトップはキプロスの大学(Medical School, University of Nicosia)のDNA解析が専門の教授なので、(単に名前を貸しているなどでない限りは)きっと信頼できるのではないかと考え(まあ他に選択肢もないし)、ここでNIPTをやってみることに決めた。

 

てか、無職で暇だとじっくり調べ物する時間が腐るほどあるのがマジ助かる~ 😍

 

 

=23.9.6追記=

実際にやってみましたが、お金だけ取られて何の結果も出ませんでした。正に驚きの精度!!!

40歳からの妊活。NIPT(新型出生前診断)、衝撃の結末!

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