40歳からの妊活。妊活用語、不妊治療の保険適用の罠

*妊活関係の露骨な表現が含まれますので苦手な方はここで閉じて下さい。

 

我が家は何故か、40歳を超えるくらいになってPuchi(パートナー)の意向で妊活が始まった。

しかもPuchiはこれまで興味がなかったはずなのに一旦始めたらやたら乗り気になっている様で、Youtubeなどで勉強しまくっている。

ご飯の時などに妊活の話ばかりするので、「ご飯のときに聞きたくない」と言っても、「いつもつまらない投資の話を聞いてあげてるんだからたまには付き合え!」と、マシンガン妊活トークは止まらない。自ずと(不要な)知識が蓄えられていく。

ただ、話はツマラナイが妊活用語は案外面白い。

 

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 不思議な妊活用語 

【仲良し】

妊活界隈ではS○Xをすることを「仲良し」と言うらしい。

例:「今日仲良ししよっか?(命令)」

表現としては分かるような気もする一方で、こっちは採精工場に強制出勤させられているような気分になってるのに、それを「仲良し」とはコレ如何に。それに、これを知ってしまったら「皆んな喧嘩しないで仲良くしようよ!」とか、どんな心持ちで聞いたらいいんだろうか。

 

【リセット】

生理が来ることを指す。生理が来るとそのサイクルの妊活は失敗したことになるので、イコール悲しいことの様だ。明るく「リセットした?」とか聞くと怒られるので注意が必要だ。

リセットとは本来、初期状態に戻すことを指す。ファミコンならともかく、人間はリセットなど出来ず、妊活ではただ失敗して大切な卵子とお金を失っただけだ。それをせめて明るく表現した言葉がこの「リセット」である。

 

【フライング】

妊娠したかどうかが気になりすぎて妊娠検査薬を早めに使ってしまう事を指す。上級者になると安価で妊娠検査薬よりも高感度な排卵検査薬の交差(誤検出)を利用して「フライング」する事もあるとのこと。

ちなみに、排卵検査薬はhLH(黄体形成ホルモン)、妊娠検査薬はhCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)を検出しているが、お互いのα、βサブユニット(タンパク質を構成するパーツ)に類似性が高いため、ポリクローナル抗体(タンパク質表面の色々な部位を認識する抗体)を用いたキットでは交差が起き易いが、モノクローナル抗体(特定の場所を認識する抗体)のキットでは交差が抑えられている。

 

【ソワソワ期】

高温期10~11日目位から着床していればhCGが出始めるので、それに伴う何らかの身体的な症状(ぽかぽか、ちくちく、常に眠い、おっぱいが張る、匂いに敏感になる、おならが出やすくなる)が出るのではないかとか、フライング検査をしたら陽性が出るのではないかと気になってソワソワする時期が始まる。高温期は14日間で低温期に移行して「リセット」するが、着床していると高温期が継続する。

 

【化学流産】

普通の流産は妊娠して暫くしてから起きるのに対し、化学流産は妊娠のごく初期のもので、特に高齢ではかなりの頻度で起きるらしい。主な原因だと考えられているのは卵子の染色体異常で、若くても5割の卵、40歳になると何と8割もの卵に染色体異常(多いや少ない、転座)があることが知られている。これは、高齢になるとそもそも妊娠しにくくなるし、その上、化学流産も多くなるということを意味している。

「子供は(性欲旺盛で健康な)若いうちに作ってね」と神様が言っているのだという気がするが、先進国の社会システムは往々にしてそれを許さないというジレンマがある。労働力は移民に頼るか、さもなくば子育てを社会全体で支えるシステムの構築が不可欠だと考えられる。

 

【タイミング法・シリンジ法】

基礎体温や排卵検査薬で排卵時期を予想し、「仲良し」する方法がタイミング法。厄介なのが、妊娠確率が最も高いのは排卵の半日~1日前(2日前という説もある)ということ。自宅よりも病院の超音波検査で卵胞のサイズや、血液検査でホルモン値を調べることでより正確に推測できる。

シリンジを使うことで「仲良し」のフィニッシュを代替するのがシリンジ法。連日の「仲良し」が難しい場合などに効果的。中田氏の方が精液量が多いことが調べられてはいるものの、妊娠確率に明らかな差は無い様だ。

 

【人工授精・体外受精】

「仲良し」や「シリンジ法」が膣内に精子を注入するのに対し、精子を濃度勾配遠心による精製や運動能力による選別を行った後、直接子宮内に注入する方法が「人工授精(AIH:Artificial insemination with husband’s sperm)」。フーナー不良(精子が少ない、運動性が悪い、頸管粘液が少ない)等の場合には有効だと考えられる。

「体外受精(IVF:in vitro fertilization)」は精子だけではなく、卵子も取り出し体外で精子を振りかけて受精させる方法。同じ「じゅせい」と発音するが、授精(精子を授けるだけ)と受精(卵子に精子が入る)では全く意味が異なる。

 

 保険適用の罠 

2022年4月から不妊治療に保険が適用になったものの、検査回数が多かったりなど、少しでもオーダーメイドの場合などは全額負担になる。保険適用前であればそれでも自治体から補助があっが、こちらは打ち切られたことで却って自己負担が増えてしまうケースも少なくない。

Puchiの場合はタイミング法の為の検査からして全て全額負担になっている。

 

児童手当や高校無償化に所得制限を設けるなど、自民党政権は少子化対策ではなく、少子化推進政策ばかりに力を入れている様に見える。コロナ対策でも(効果が極めて怪しい)自粛や緊急事態宣言を過剰に行い、経済に大打撃を与えた挙げ句、老人数を増やして出生数は大幅に減らしてしまった。この2年で近所の個人店が沢山潰れた。

一説によると、政策が数カ月程度先の短期的な支持率狙いになっており、数年先や将来といった長期的な事を重視しなくなってしまっている事がこの様な明らかな矛盾した政策運営の要因とのことだ。これこそ「リセット」が必要なのでは無いだろうか。

 

(つづく)

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