物件の適正価格とは?建物と土地の価格を調べる方法

予算内で出来るだけいい家を買いたいのは山々ですが、高値づかみしないためには相場を知ることが非常に重要です。物件価格を見ても分かりにくいですが、土地価格と建物価格を分けて考えることで割高か割安かの判断が容易になります。

 

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 土地と建物の価格を調べる方法 

以下の架空の不動産物件で調べてみます。

 

(例)

鎌倉市:5,450万円の中古住宅

土地:206.12㎡(約62.35坪)

建物:142.42㎡(築16年、約43.08坪)

 

 

「全国地価マップ」で土地価格を調べます。

https://www.chikamap.jp/chikamap/PrefecturesSelect?mid=220

 

接している道の「固定資産税路線価」が201,000円/平米、土地の価格(実勢価格)=路線価÷0.7×1.1×平米で計算します。20.1÷0.7×1.1×206.12=3,190万円

よって、5,040(販売価格)-3,190(土地価格)=1,850万円が建物価格、坪単価で43万円とわかります。なお、築25-30年を経過すると建物の価値がなくなります。この物件は築16年なので、ここに10年も住んだら1,850万円が無価値になるので、年間185万円も減価する物件だと言えます。このままの価格で買うのは余りに高い気がします。

では、建物価格は築年数によってどの様に変化するのでしょうか?

 

 

築年数による建物価格(査定価格)の推移(ハウスメーカー2500万円、建売2000万円とした場合)

https://www.kofu.biz/ie-navi/tatemono-satei/

 

これを見ると、築16年では新築時の30%程度に建物価値が下落します。築16年で坪単価43万円だと新築時に坪単価143万円の超高級住宅でなければ割高だと言えます。なお、30年も経過すると解体費用が必要なためか建売ではマイナス査定になります。

将来性を知る意味では土地価格の推移も重要です。

 

 

「土地代データ」で付近の公示地価の推移を調べます。実際の取引価格はこの約1.1倍程度です。

土地価格相場が分かる土地代データ|公示地価・基準地価・地価マップ・推移

 

人気の地区のようで、ここ数年はむしろ地価が上昇傾向であることがわかります。建物自体は割高に思えますが、場所自体は郊外にも関わらず将来性が高い地域だと言えそうです。

 

なお、物件価値が安い要因としては、

・相続などで売り主がなるべく早く売りたい(チャンス!)

・私道に面している(補修に全員の同意が必要で権利関係が不明瞭だとトラブルになる)

・面している道が2mなどと狭い(セットバックが必要)

・借地権であって所有権ではない(毎月地代が必要)

・駐車場がない(車を持つなら別途駐車場を借りる必要)

・擁壁が2~3m以上など高い(補修費用が数百万円と高額になる。がけ条例)

・崖沿いや海沿い川沿いなどの自然災害警戒地域(ハザードマップにて確認)

・モンスターご近所の存在(ゴミ屋敷、騒音トラブル、越境問題等々。遭遇確率は実に10%もあるとの噂)

・幾つも同じ様な家が並んでいる建売(まとめて作ると建設コストが割安になる)

・築20年以上で耐震証明書類が取れない物件(住宅ローン減税適用外で買い手が躊躇する)

・築40年以上(1981年以前の旧耐震基準、住宅ローン減税適用外)

 

高い要因としては、

・新築(住んだ瞬間、1~2割下落する)

・相場観のない売り主が割高な価格設定をしている(バブルから醒めない夢・・)

・投資用物件を売り抜けようとしている(オーナーチェンジ物件。残債があるので中々下げられない)

・防火地域や準防火地域(建設費用が割高になる)

・高気密・高断熱の家(建設費用が割高になる)

・大手ハウスメーカーの建物(広告宣伝費・モデルルーム費用などが多いので2-3割高い)

 

などが挙げられます。ハザードマップは各自治体HPや以下で見られます。

「重ねるハザードマップ」

ハザードマップポータルサイト

 

 建物の相場 

では、新築の場合の建築費用はいくらくらいなのでしょうか?

大手ハウスメーカー 坪70~100万円

ローコストハウスメーカー 坪30~55万円

地元の工務店 坪50万円~

 

これに別途工事や付帯工事、諸経費など様々な費用が20~30%乗った額が総建築費になります。例えば神奈川県の注文住宅の平均建設費は3,664万円(38.6坪、坪単価95万円)にも昇ります。土地から買う場合の平均は土地が2,268万円、建設費が2,545万円(32坪、坪単価79.5万円)の4,813万円。うひゃ~

https://toyo-property.co.jp/article/278.html#:~:text=%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E3%81%AE%E6%B3%A8%E6%96%87%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%E3%81%AE,%E3%81%AF3%2C663%E4%B8%87%E5%86%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

 

 実際に取引された相場を知る 

「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の物件が全て登録されている「レインズ」にて過去2年に取引された物件情報が一般にも公開されています。

 

「レインズマーケットインフォメーション」

不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト)

 

国土交通省にも似たようなシステムがあります「土地総合情報システム」

国土交通省 土地総合情報システム Land General Information System

 

やばいめっちゃ高い!買えないやん・・・(泣)

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