なでしこジャパンの活躍など、徐々に人気が出始めている女子サッカー。
今回はそんな女子サッカーについて見ていこうと思います。
世界の女子サッカー 歴史
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最古の女子サッカーの記録として、1895年に北イングランド対南イングランドの試合記録が残っています。当時、帽子にスカートを履いてプレーしていたそうで、なんとこの試合の観客は1万人。
しかし、男女不平等な時代であったため、女子サッカーはグランドの貸し出しを禁じられるなど、状況はよくありませんでしたが、世界大戦などの影響で男性が戦争に借り出され、男性不足を背景に女子サッカーはヨーロッパを中心に広まっていったようです。
今ではイスラム圏の国々でも女子サッカーへの関心が高まっており、世界的にプレー人口が増えています。
日本の女子サッカー
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日本では1970年代頃から女子サッカーチームが結成され始めます。
1980年頃には日本でも女子サッカー連盟が設立されました。
その後は国際大会にも出場するようになり、広まりを見せます。
そして2011年、第6回FIFA女子ワールドカップで優勝、世界一となり、なでしこブームが湧き起こりました。
澤選手や川澄選手などテレビにも登場し、女子サッカー人口の増加に大きく貢献。
女子サッカーの給与
現在女子サッカーが抱える問題として給与の低さがあります。
世界的に見ても女子サッカー選手に対する給与の低さは問題となっており、普及の妨げになっているとされています。
2016年、アルビレックス新潟女子の川村優理選手の移籍が決まった、アメリカの女子サッカーリーグ、NWSLの選手5名が、アメリカサッカー協会に対し、男女で給与の差がありすぎると訴訟を起こしました。
女子サッカーはアメリカで非常に人気で、ワールドカップ、オリンピックで3回ずつ優勝しているにも関わらず、給与は世界的にレベルの低い男子よりも低い。
この差はワールドカップの賞金を見れば一目瞭然です。
2015年ワールドカップを優勝した女子アメリカの賞金は2億2千万円。これに対し、2014年男子ワールドカップで優勝したドイツの賞金は38億円と、巨額の差があります。
もちろん、競技人口や観客数など考慮すべき点は多々あると思いますが、それでも差がありすぎます。
この訴えに対し、アメリカの上院は満場一致で今すぐ格差を撤廃するようにと可決。国際サッカー連盟に決議が提出されましたが、共和党の反対により成立はしませんでした。
しかし、担当した上議院長は『これほどの成果を残しているにも関わらず、女子選手は男子選手と同等に扱われていません。これは金銭の問題だけでなく、アメリカ中、世界中の女性たちにとっての問題で国中で起こっている格差の問題を象徴しています』とスピーチ。
これにより女子選手たちの考えは向上したようですが、それでもまだ十分とは言えない状況です。
この問題はNWSL、スポーツだけの問題ではなく、世界が抱える男女平等の問題に大きく影響するトピックです。このような活動、訴えを起こしていくことで少しずつ状況はよくなるのかもしれません。