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海外競馬:海外の競馬主要国は?主な特徴は?

中央競馬は、コロナ禍で昨年は7ヶ月半に及ぶ無観客開催にも関わらず、対前年プラスで9年連続の売上増を記録した。日本の競馬は、国内最大規模の公営競技であり、馬券の売上だけでも世界トップ水準にある。国外に目を向けると、海外の競馬主要国には、英国、アイルランドアメリカ、オーストラリア、中東の産油国などが挙げられる。これらの国々の競馬の特徴について以下にまとめてみた。

 

英国とアイルランド

イギリスは近代競馬の発祥地として最も確立された歴史があるが、競技規則や規制が正式に設立されたのは17世紀初頭だ。主要なレースのタイプは、平地競争と障害競争の2通りとなっている。グランドナショナルロイヤルアスコットなど、世界で最も権威のあるレースを誇る。

グランドナショナルは、英国で最も人気のある障害競争で、リバプール近郊のエイントリー競馬場で毎年開催されている。飛越する30の障害を含む世界で最も過酷なレースと称され、出走馬のスキルと持久力を最大限に要し、その運動能力が極限まで試される。

 

アイルランドは、世界最大の競走馬生産業者クールモアスタッドの本拠地であり、競走馬生産において世界トップを誇る。障害競走の人気が根強く、国内最大のゴールウェイレースの他、チェルトナムフェスティバルもアイルランドの主要イベントである。英国とアイルランドでは、ブックメーカーから馬券を購入する。ブックメーカーの競馬は、サッカーや他のスポーツと同様にスポーツべットの枠組みで、賭けた時点のオッズに基づいて配当が支払われる。

 

米国

アメリカも元々英国の植民地としての歴史があり、17世紀中旬の植民地時代にニューヨークのロングアイランドで最初のレースが開催された。米国の競馬には、複数のカテゴリーがあるが、最も人気があるのはサラブレッド・レースである。アメリカクラシック三冠やブリーダーズカップJRAでも馬券の購入が可能になって久しいが、米国の競馬は近年、生産馬数と競争馬数ともにやや減少傾向にある。アメリカの競馬は、もともとブックメーカー方式だったが、20世紀以降パリミュチュエル方式を貫いてきた。ここ数年でスポーツべット全般における規制緩和が進み、州ごとに規制が大きく異なっている。最近では、ウィリアムヒルなどのイギリスのブックメーカー大手が次々に米国法人を立ち上げ、ニュージャージー州コロラド州で固定オッズを提供している。

 

オーストラリア

オーストラリアは、英国とアイルランド、米国に肩を並べる競馬大国である。イギリスの植民地時代を経て、競馬も英国と同様に確立されたが、障害競走よりも平地競走や速歩競走の人気が強い。毎年11月に行われるメルボルンカップは、ビクトリア州の祝日としてオーストラリア国民の一大イベントとなっている。サラブレッド種の競争馬生産においてはアメリカに次ぐ世界第二位の規模を誇る。馬券の販売経路は、固定オッズを提供するブックメーカーと、パリミュチュエル方式のTABが運営するベッティングショップの二通りある。

 

サウジアラビアアラブ首長国連邦カタール

近年、中東の競馬産業の成長は目覚ましく、トップクラスの競馬場と賞金を誇る。とりわけサウジアラビアアラブ首長国連邦カタールの競馬に対する情熱は、世界最高賞金のサウジカップや、ドバイの見事なメイダン競馬場を見ても一目瞭然である。12億5000万ドルをかけたメイダン競馬場は、世界で最も高価な競馬場であり、5つ星ホテル、博物館、ゴルフコースも併設されている。サウジアラビアの王子は、米国、英国、アイルランドの3カ国に繁養牧場を有すジュドモントファームとバンステッドマナースタッドの所有者としても有名だ。また、歴史あるフランスの凱旋門賞であるが、2008年以降、実質的にはカタールが出資している。ブリティッシュ・チャンピオンズシリーズについても、カタールの投資会社であるQIPCOが出資先となっている。

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