チームスピリット(4397)IPOが東証マザーズへ新規上場承認されました。野村證券が主幹事を務め公開株式数480,000株、オーバーアロットメント72,000株、想定発行価格ベースの吸収額は約5.5億円となります。事業はIT系になり勤怠管理、経費精算、工数管理等を一体化したクラウドサービス「TeamSpirit」提供となっています。


業績を確認すると今まで赤字が長く続いており、今期やっと黒字化する見込みのようです。業績確認では第17期までしか確認できませんが、それ以前も赤字だったのではないかと思わせるほど強烈な赤字となっています。


チームスピリット(4397)上場と初値予想


株主にはベンチャーキャピタル出資が多いようですから上場後は利益確定の売却イメージが強いように思います。今後は黒字化したことにより契約数をの伸ばすことで完全黒字化?となりそうです。類似企業などが多いとシェア的にどうかと思いますが、大手企業との契約が数社でも獲得できれば業績安定期に入るのではいないでしょうか。


チームスピリット(4397)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容勤怠管理、経費精算、工数管理等を一体化したクラウドサービス「TeamSpirit」等の提供
公開予定8月22日
ブックビルディング期間8月06日~8月10日
想定価格1,000円
仮条件1,000円~1,200円
公開価格8月13日
企業情報https://corp.teamspirit.com/ja-jp/


【手取金の使途】

手取概算額360百万円については、「1 新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限66百万円と合わせて、①商品開発に係る人件費、②営業活動に係る人件費、③広告宣伝費、④その他、採用費、IT関連費等の運転資金に充当する予定であります。具体的には以下を予定しております。

①「TeamSpirit」の次世代商品の開発や「TeamSpirit」の競合との差別化を図るための追加機能開発に係る人件費に170百万円(平成31年8月期70百万円、平成32年8月期100百万円)

②営業活動の強化及びお客様の「TeamSpirit」導入支援及びサポートに係る人件費に170百万円(平成31年8月期70百万円、平成32年8月期100百万円)

③当社サービスのデジタルマーケティングやブランディング活動等の実施による知名度向上及び見込客獲得に係る広告宣伝費に35百万円(平成31年8月期14百万円、平成32年8月期21百万円)

④事業規模拡大に伴い増加する管理部門やマーケティング人材の採用費、IT関連費、オフィス関連費用等の運転資金として、上記以外の残額を充当する予定であります。

※なお、資金需要が発生し具体的な支出が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。



項目株数データ
公募株数400,000株
売出株数80,000株
公開株数(合計)480,000株
オーバーアロットメント72,000株
上場時発行済み株数7,310,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約73.1億円
幹事団野村證券(主幹事)
SMBC日興証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
auカブコム証券
SBI証券


チームスピリット(4397)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,000円を基に吸収金額を算出すると約4.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約5.5億円規模の上場となります。上場規模は小さいため公開価格を割れるようなことは無いと思いますが、初値が何倍にもなるイメージは描きづらいように思います。


事業は、企業向けに勤怠管理や就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等の従業員が日々利用するアプリケーションをひとつにまとめた「TeamSpirit」やユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しています。


チームスピリット上場評判とIPO分析


主力サービスは勤怠管理・工数管理・経費精算などのように従業員が日々利用するアプリケーションをひとつのシステムにまとめ、出社から退社までの活動を記録することで働き方を可視化し、創造的な時間を増やすことで生産性向上を実現するサービス「TeamSpirit」を提供することです。


「TeamSpirit」は、従業員が日常的に使用する様々なアプリケーションを一体化した働く人視点のフロントウェアをコンセプトに設計されており、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで間接業務を効率化するだけではなく、日々の成果を可視化し、チームのコミュニケーションやPDCAサイクルの仕組みに変えるという新しい価値を提供しているそうです。


「TeamSpirit」は平成30年5末時点で契約社数が932社、契約ライセンス数は129,944人となっています。


チームスピリットのライセンス数グラフ



同社によると、IoTや人工知能(AI)などの第4次産業革命が進むことで、世の中の企業が最新技術を駆使して新たなビジネスモデルや付加価値を創出するらしいため、ビジネス環境の変化や人口の減少などが訪れ、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦することやイノベーションを実現することが必要不可欠になるそうです。


そこで同社のシステムを採用することにより、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで間接業務を効率化するだけではなく、日々の成果を可視化し、チームのコミュニケーションやPDCAサイクルの仕組みに変えるという新しい価値を提供できるそうです。


チームスピリット(4397)販売実績

チームスピリット(4397)の企業財務情報と配当性向

回次第20期第21期
決算年月平成28年08月平成29年08月
売上高540,270772,960
経常利益△138,535△96,667
当期純損失△138,930△97,368
資本金328,050463,050
純資産額31,762204,394
総資産額529,560927,130
1株当たり純資産額△93.58△102.58
1株当たり当期純損失金額△22.19△15.54
自己資本比率(%)6.022.0
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△42,60175,094
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,142△16,123
財務活動によるキャッシュ・フロー△24,440301,056
現金及び現金同等物の期末残高406,687766,714
※数値は千円単位


第22期第3四半期累計期間(平成29年9月01日~平成30年5月31日)
売上高886百万円
営業利益72百万円
経常利益72百万円
四半期純利益49百万円(やっと黒字化か!?)


※特別協賛として参加したイベント「CESS働き方改革実現会議2018(主催:社団法人働き方改革コンソーシアム)」での発信や、Webマーケティング活動の強化、大口の新規顧客獲得に向けた営業活動の強化、既存商品の機能強化及び次世代商品開発等に取り組むとともに、将来を見据えての海外市場調査も引き続き進めております。また、クラウドサービスである「TeamSpirit」の受注が拡大し、契約ライセンス数は平成30年5月末時点で129,944人、契約社数は932社となる


チームスピリット(4397)従業員と株主の状況

会社設立は1996年11月13日、東京都中央区京橋二丁目5番18号に本社を構えます。
社長は荻島浩司氏(昭和35年5月20日生まれ)、株式保有率は36.35%です。
従業員数は65人で臨時雇用者が4人、平均年齢36.2歳、平均勤続年数2.3年、平均年間給与7,159,000円となります。赤字続きでも給与設定は高いようです。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
荻島 浩司2,800,00036.35
Draper Nexus Technology Partners2号投資事業有限責任組合1,046,20013.58
salesforce.com, inc.973,40012.64
NVCC7号投資事業有限責任組合595,0007.73
ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合530,0006.88
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合500,0006.49
増山 秀信300,0003.90
※株主上位7名の状況


【目論見抜粋】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である荻島浩司並びに当社株主である増山秀信、有本陽助、都賢治及びオーバーザレインボー株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年11月19日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。

また、当社株主であるDraper Nexus Technology Partners2号投資事業有限責任組合、salesforce.com, inc.、NVCC7号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル3号投資事業有限責任組合及びDraper Nexus Partners Ⅱ, LLCは、主幹事会社に対して、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年11月19日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く。)を行わない旨を合意しております。



上位株主には90日間(平成30年11月19日まで)のロックアップが付与されています。ベンチャーキャピタル出資が多くありますが、こちらにもロックアップ90日間とロックアップ解除倍率1.5倍の設定があります。VC保有株を拾ってみると、約3,910,000株程度あるようです。かなり保有ウエイトが大きいため投資をされる方はお気を付けください。


チームスピリット(4397)IPO大手初値予想と各社配分

仮条件は1,000円~1,200円に決定し、想定発行価格を下限に上限方向へ200円拡大されています。これにより市場からの吸収金額は約5.76億円、オーバーアロットメントを含め約6.62億円となります(約1.1億円増加)


2018年8月の単体業績予想では売上57.9%増、経常利益は-0.96億円から+0.35億円へ黒字転換する予想が出ています。EPS2.09を基にPERを算出すると約574.26倍、BPS81.72を基にPBRを算出すると約14.68倍となります。業績不安はあるものの成長性から買われる展開が見込まれるようです。


初値予想2,200円~2,500円

初値予想(第2弾)2,400円~2,800円


ベンチャーキャピタル出資が多く初値はそれほど高く見込めないものの、積極的にIPOへ参加して良さそうです。大手予想サイトでも強い初値形成となるそうです。上場効果により事業提携が進むことでストック型ビジネスの強みを生かせるのではないでしょうか。


幹事名配分単位(株)
野村証券(主幹事)408,000
SMBC日興証券38,400
三菱UFJモルガン・スタンレー証券24,000
SBI証券9,600


類似企業PER
PBR
ネオジャパン(3921)PER56.52倍PBR6.17倍
ビーブレイクシステムズ(3986)PER31.21倍PBR3.94倍
サイボウズ(4776)PER92.98倍PBR7.59倍


当選を狙うなら野村證券からでしょうか、SBI証券からはIPOチャレンジポイントを狙って申込をしておきましょう。比較的申し込みやすい幹事となっているため大体の方はすべての証券会社からの申込みをご検討されることでしょう。


株数から考えると激戦となりそうです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券からauカブコム証券へ委託されるはずなので資金があれば申し込みをしておくとよいかもしれません。


auカブコム証券のIPO抽選ルール


SMBC日興証券からの当選期待は低そうですが、2番目に期待ができそうなのでこちらも申込でしょうか。IPOチャレンジポイントを頂いて大体の方が終わりそうですけどね。


SBI証券IPOに当選する方法


チームスピリットのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
平成26年6月01日~平成33年5月31日180,00070
平成27年3月01日~平成34年2月28日200,000100
平成27年3月01日~平成34年2月28日20,000100
平成26年2月13日~平成33年1月31日50,000100
平成28年4月01日~平成35年3月31日50,000100
平成28年11月19日~平成35年11月18日32,000100
平成29年11月20日~平成36年11月19日120,000450
平成30年8月19日~平成37年8月18日110,000450
平成31年11月16日~平成38年11月15日30,000675


ストックオプションで行使期限を迎えている株は762,000株あるようです。上場済み株数の10.4%程度あり、ボリュームがあるようです。イメージはあまりよくないでしょう。


チームスピリット(4397)IPO私見と申し込みスタンス

ライセンス契約数は伸びているため、このまま順調に伸びることで同社の収益構造も大きく改善できるかの可能性があります。新奇性もあるように思いますし、IPOでは人気のIoTや人工知能(AI)、クラウド、ビッグデータなどのキーワードもあります。


ただ、今までずっと赤字だったのか?第17期以前の財務状況はどうなっていたのか?そしてずっと赤字なのに給与が高い設定なので何となく疑問が残ります。エンジニア関係の方が多いのかもしれませんが、「TeamSpirit」は契約ライセンス数推移が平成25年開示で116社(11,736人)です。平成25年の従業員数は12人で売上9,000万円となっています。


「TeamSpirit」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金する、継続収益方式を採用しているということで売上と契約数を考えるとこれから赤字になることは無いのかな?とも感じます。


新規の契約数を解約数が上回らない限り収益が安定性するという構造から、今後は高い成長を目指すことができるビジネスモデルとも言えますが、上場による知名度UPで今後大化けする銘柄となるかも?という期待もあるように思います。どの程度の人気があるのか某社発表を待たないと難しいかもしれません。


上場規が小さいため個人的なスタンスは全力申し込みになると思います。IPO空白期間があることで強い買い意欲が生まれセカンダリーを狙った買いは多いと思います。


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