スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。


主幹事はみずほ証券が務め公開株数380,000株、オーバーアロットメント57,000株です。上場規模は想定発行価格1,070円を基に計算すると約4.7億円になります。かなり上場規模が小さめのIPOです!


スマート・ソリューション・テクノロジーIPO上場承認と初値予想


主力製品の非接触ICカードリーダ端末は、主に勤怠管理システムのIC打刻や経費精算システムの交通カード情報の読取り等に利用されており、勤怠システム市場や経費精算システム市場をターゲットとしています。


また同社のSmartSoundサービスは既に1,000万以上のダウンロードがありそこそこの知名度を持っているようです。


飲食や小売等の店舗やチェーン店を展開する企業を主なターゲットとしており、サービス内容はスマートフォンでの来店ポイントやクーポンの取得から、会員認証及び決済に至るまで多岐にわたって対応が可能です。


スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種電気機器
事業内容 企業向け非接触ICカードリーダ端末の販売、当該端末と連携した店舗向けO2Oサービスの提供、独自音通信技術のライセンス及び認証サービスの提供
上場日上場中止
ブックビルディング期間4月07日~4月13日
想定価格1,070円
仮条件4月03日
公開価格4月14日
企業情報https://www.sstinc.co.jp/
監査人ひので監査法人


【手取金の使途】

手取概算額326,696千円については、①製品開発関連費、②研究開発費、③広告宣伝費、④開発用機材購入費、⑤オフィス増床費に充当する予定。

①製品開発関連費
令和3年9月のリリースを予定している次世代端末製品(ピットタッチ・プロ3)の開発及び製造に係る人件費等の費用で119,600千円を見込んでおります。

②研究開発費
音通信の通信速度と精度の向上及び新しい適用分野への応用の研究開発に係る人件費及び共同研究関連費用等の費用で57,600千円を見込んでおります。

③広告宣伝費
音通信技術を活用した来店ポイント等の店舗販促の導入事例の宣伝活動及び令和3年9月のリリースを予定している次世代端末製品の販売促進に係る費用で110,000千円を見込んでおります。

④開発用機材購入費
製品開発の効率向上による開発リードタイムの短縮を図るための開発用機材購入費として、29,000千円を見込んでおります。

⑤オフィス増床費
札幌テクニカルセンターの人員増強に伴うオフィス増床費として、令和3年3月期に9,300千円を見込んでおります。

※残額につきましては、将来的な設備投資、開発資金及び人材の採用費等に充当する方針ですが、具体化している事項はありません。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数340,000株
売出株数40,000株
公開株数(合計)380,000株
オーバーアロットメント57,000株
上場時発行済み株数 1,185,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約12.7億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
野村證券
いちよし証券
SBI証券
楽天証券 ←後期型抽選
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,070円を基に吸収金額を算出すると約4.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約4.7億円規模の上場となります。元々はDGM森精機(6141)の完全子会社になり、社長の山川進氏により事業引受けの後スマート・ソリューション・テクノロジーが設立されているようです。


同社は「タッチポイントソリューション」として、ICカードやスマートフォン等といった人が携帯するものと、企業等が保有するソフトウエア等のシステムとを簡単に便利で安全に繋ぐための通信機器(Smart端末)、サービス及びプラットフォーム(SmartSoundサービス)の開発・提供を行っている企業です。


同社が開発したSmart端末「ピットタッチシリーズ」には、非接触ICカードによる通信のほか、独自音通信技術による通信方式を採用した端末があり、勤怠管理などのビジネス用途と店舗等での販促用途に利用されています。


Smart端末の製造はハードウェア設計を含め製品開発は自社で行っています。また製造ラインは保有しておらず全て外部の製造委託先にて製造を委託しています。一部の部材は自社調達し製造委託先に支給しています。


スマート・ソリューション・テクノロジーIPO上場評判と業績


ビジネス用途向けのSmart端末販売の特長は、主にアプリケーションベンダーやシステムインテグレータ等の販売代理店を経由して販売していることです。


主な利用用途としては勤怠管理向けを筆頭に経費精算、認証印刷及び登降園管理等、様々な分野において利用されています。※令和2年3月期第3四半期累計実績においてSmart端末販売の約63%


製品の特長としては、販売代理店が提供するサービスに容易に接続可能となる仕様を採用しており、販売代理店がエンドユーザに対してSmart端末を推奨できる状態を構築しています。


スマート・ソリューション・テクノロジーIPOの事業系統図


同社が独自に開発した音通信技術は、スマートフォンのマイクとスピーカーを使用する技術であるためスマートフォンの機種への依存が少なく、より幅広い対象にサービスが提供できます。


その他、ビルなどの施設に既存で設置されているスピーカーを使うことも可能なため特別な設備を必要とせず、スマートフォンとの通信環境を構築できるメリットがあります。


スマート・ソリューション・テクノロジーIPOの販売実績と取引先


同社では「SmartSoundサービス」として音通信技術とSmart端末を活用したO2Oサービス「Zeetleカードサービス」及び、音通信技術を用いたサービス構築において必要となるセキュリティに対応するための認証サービス「TrustSoundサービス」の提供を行っています。


Zeetleカードサービスで提供する無料アプリ「Zeetle」で、広告代理店に対しアプリ内広告枠の提供を行っています。


Zeetleカードサービスは飲食や小売等の店舗やチェーン店を展開する企業を主なターゲットとしており、TrustSoundサービスは音通信を活用したチェックインや会員認証、決済などのサービス構築のニーズを有する企業を主なターゲットとしています。


いずれのサービスも営業による直販もしくは販売代理店経由で販売を行っています。


スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)の企業財務情報と配当性向

回次第6期第7期
決算年月平成30年3月平成31年3月
売上高821,4531,004,690
経常利益74,366123,063
当期純利益54,05480,711
資本金52,00052,000
純資産額357,810438,522
総資産額584,517678,596
1株当たり純資産額423.44518.96
1株当たり当期純利益金額64.1395.52
自己資本比率(%)61.264.6
自己資本利益率(%)16.420.3
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー91,90914,428
投資活動によるキャッシュ・フロー△42,107△26,980
財務活動によるキャッシュ・フロー△33,298△31,998
現金及び現金同等物の期末残高223,445178,896
※数値は千円単位


第8期第3四半期累計期間(平成31年4月01日~令和元年12月31日)
  • 売上高802,377千円
  • 営業利益115,881千円
  • 経常利益115,849千円
  • 四半期純利益76,506千円


【スマート・ソリューション・テクノロジーIPOの第8期第3四半期累計期間のチェックポイント!】
 
働き方改革関連法が平成31年4月から大企業向けに適用が開始され、令和2年4月から中小企業向けに順次適用が開始される影響による非接触ICカードリーダ端末の需要拡大を背景に、特に勤怠管理用としての非接触ICカードリーダ端末の需要が増大しており「Smart端末」の販売台数が堅調に推移しているそうです。

SmartSoundサービスでは、Zeetleカードサービスのターゲットである飲食業界における人手不足、原材料価格の高騰、消費増税への対応等の影響により、当初見込んでいた案件の獲得に遅れが生じた一方、令和元年7月より開始したZeetleアプリ内広告による収入が順調に伸びているそうです!


スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2012年12月27日、東京都新宿区神楽坂一丁目15番に本社を構えます。社長は山川進氏(昭和34年6月25日生まれ)、株式保有率は46.16%(470,000株)です。


従業員数47人で平均年齢38.9歳、平均勤続年数4.2年、平均年間給与5,528,000円です。同社はタッチポイントソリューション事業の単一セグメントとなっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
山川 進470,000株46.16%
安田 寛80,000株7.86%
大島 貴之78,000株7.66%
木村 禎43,500株4.27%
吉野 陽子42,500株4.17%
川島 昭彦40,000株3.93%
TIS株式会社29,000株2.85%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である山川進、当社株主である安田寛、大島貴之、木村禎、吉野陽子、川島昭彦、TIS株式会社、スマート・ソリューション・テクノロジー従業員持株会、難波弘行、山本篤、ビー・ユー・ジーDMG森精機株式会社、宇都泰孝、速水祐法、上田真史、三浦俊輔及び遠藤是知並びに当社新株予約権者である松本智は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の令和2年10月19日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く)等は行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(令和2年10月19日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍となっています。


親引け設定は取得金額11,000千円に相当する株式数を上限として福利厚生目的で実施予定となっています。


スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は後日記載します。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


※上場中止になったため業績分析と初値予想は再承認時に行いたいと思います


幹事名配分単位引受割合
みずほ証券(主幹事)334,400株88.00%
野村證券38,000株10.00%
いちよし証券3,800株1.00%
SBI証券1,900株0.50%
楽天証券1,900株0.50%


市場が悪化している最中ですが上場規模が小さいため参加スタンスで良さそうです。上場する頃には市場が落ちついていると考えています。新型肺炎が何処まで世界経済に影響を与えるのかわかりませんが同社のビジネスは直接的な影響はなさそうです。


IPO参加者も少なくなっていることから全力で申し込めば当選確率は通常よりも高そうです。楽天証券が幹事入りなので需要申し込みを行っておいて、人気があれば購入申し込みを行いたいと思います!ある意味裏技ですよね。




IPO投資をこれから始める方は下記記事を参考にしてください!市場が低迷している時に勉強しておけば爆益を手に入れることが可能かも?


資金があまりない方は前受け金不要の企業から抽選に参加しておきましょう。購入するお金がない方にはお勧めしませんが50万円くらい現金があればお勧めします。1回の当選で10万円狙える市場戻ってきて!




またこれから株式を始めたいと思う方は単元未満株で株を購入できる企業をお勧めします。SBIネオモバイル証券はお勧めです。今日はゼビオホールディングス(8281)を1株買い増ししました。






上記の日興フロッギーもお勧めです。金額指定で買いたい方はフロッギーが良いです。1株単位ならSBIネオモバイル証券がお勧めです。この他にも外国株にこだわるならPayPay証券も良いと思います。10万円入れっぱなしで保有株の状況も見ていませんけどね。

類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
GMOクラウド(3788)PER15.63倍PBR2.78倍
ギフティ(4449)PER44.98倍PBR9.16倍
GMOメディア(6180)PER-倍PBR0.73倍
※2020年4月05日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
平成29年11月07日~令和7年11月06日144,800株210円
令和元年7月19日~令和9年7月18日25,600株370円
令和3年9月11日~令和11年9月10日2,700株610円


ストックオプション(新株予約権)は170,400株が行使期限に入っています。新株予約権者の松本智氏には180日間のロックアップ条件があります。


またベンチャーキャピタル保有株はありません。株主名簿にTIS(3626)とDGM森精機(6141)の子会社ビー・ユー・ジーDMG森精機の名前があります。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。


スマート・ソリューション・テクノロジー(6598)IPOの評価と申し込みスタンス

スマート・ソリューション・テクノロジーIPOはマザーズ上場の割にちょっと地味系だと感じます。勤怠管理システムは他社でも販売されているため優位性がどの程度あるのか?と考えるところがあります。


同社製品のSmart端末販売は働き方改革等の市場の拡大を背景に、勤怠管理、経費精算、認証印刷及び登降園管理等、様々な分野において安定的な年間売上拡大を目指すそうです。


スマート・ソリューション・テクノロジーIPOの評価


今後はマイナンバーなどの新しいSmart端末の将来需要を見据え対応端末の開発を進めていくそうです。


SmartSoundサービスについては、将来的なストックビジネス成長の主軸と位置付け、既存O2Oサービス加盟店舗の拡大、Zeetleアプリを活用した新規デジタルカードサービスのリリース、Zeetleアプリユーザの行動履歴を基軸とするビッグデータの活用やアプリ内広告サービスを推進していくそうです。


また民間企業への導入が拡大する一方で、自治体など公共への導入も拡大し大きな成長が期待できるそうです。平成31年4月に働き方改革関連法が施行されたのが同社にとっては追い風のようです。


経費精算システム市場では交通費精算業務でSuica等の交通カードの記録を読み取ることにより大幅な効率化が図れ需要も高まっているそうです。これはちょっと凄いですね。


私は九州なので「Suica」ではなく「SUGOCA」になります。熊本は田舎なのでSuicaを手に入れることが難しいです。ただカードを持っている方は普通に使えます。


勤怠管理システムを扱う大手企業もあるため同社がどのように評価されるの下記になります。企業規模や業績は問題ありませんが上場経費が重しになりそうな気がします。


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