東京市場ザラバ~日銀決定会合の長短金利操作の運用柔軟化で784円行って来いの131円安~(2023年7月28日)

 

2023年7月28日

・昨日のNY株は4-6月期米GDP速報値や前週分新規失業保険申請件数が好結果だったことで景気後退懸念が緩和してプラス圏で推移していましたが、年内の追加利上げ観測が再燃し、また02:00に日経新聞電子版が「日銀は28日まで開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上」との報道が伝わると警戒感から売りが広がり、ダウは$237安、ナスは0.55%安で引けました。

・本日の日経は前日終値32,891.16よりも446.74円安い32,444.42で寄り付き、前場は日銀決定会合を控えて32,400-530での上下が続き、32,453で前引けでした。
後場が始まる目前の12:28に政策金利は現状維持・長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を柔軟化の発表があり、後場開始直後から上げ出して44円安の32,846まで上昇しましたが、10年物国債を0.5%の利回りで無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りを1.0%に引き上げたことで日米長期金利差縮小の思惑から円買いが強まってドル円と共に下げ出して、13時過ぎには853円安の32,037まで大幅に下落しました。
その後ジリジリと戻して発表後の高値に迫る32,822まで784円まで上げ続け、下げ幅を縮めて32,759.23(-131.93)▼0.40%で引けました。

日銀金融政策決定会合の結果
12:28 政策金利は現状維持
・長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を柔軟化
・10年物国債を0.5%の利回りで無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りを1.0%に引き上げ
・共通担保資金供給オペ追加

 

 

日経先物
・32,490で寄り付き、日銀決定会合を控えて32,300-480で方向感のない上下が続き、発表が金融政策変更のない現状維持の時よりも遅れた12:28に発表された時は32,400でした。
発表直後に32,400から32,850まで急伸しましたが、日米長期金利差縮小の思惑から円買いが強まってドル円が下落すると日経先物も12:40から急速に下げ出して12:50には32,350まで下落し、発表後の上昇が行って来いとなり、そこから更に下げ出して13:15には920円安の32,000まで大幅に下落しました。
その後ジリジリと戻して発表時の32,400を超えて14:50には発表後の高値に迫る32,810まで上昇し、32,770(-150)▼0.46%で引けました。
現物は32,759.23(-131.93)▼0.40%でした。

東証プライム売買代金:57,000億円、東証プライム売買高:24.56億株
東証プライム騰落数 値上がり757銘柄、値下がり1,018銘柄、変わらず58銘柄、比較不可2銘柄

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

マザーズ
・前日終値771.96よりも9.45ポイント安い762.51で寄り付き、前場は756-764で上下し、後場に入ると日銀決定会合の発表後に日経が上昇していたため12:35に768まで上昇しました。
しかし日経が逆に下げ出すとマザーズ指数も下げ出して13:15には753まで下落し、その後はジリジリと戻して、764.04(-7.92)▼1.03%で引けました。

左:マザーズ-5分足 右:マザーズ-日足
 

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・昨日は4-6月期米GDP速報値や米新規失業保険申請件数、6月米耐久財受注額、6月米住宅販売保留指数が予想を上回ったことでドル買いの流れとなり、21:30の140.21から23:50には141.31まで上昇しました。
しかし02:00に日経新聞電子版が「日銀は28日まで開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上」との報道が伝わると急速に円買い・ドル売りが進み、02:00の141.08から04:40には138.75まで下落し、139.50でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると8:45に138.70まで下落した後は日銀決定会合を控えて139.15-60で上下し、12:28に発表された時は139.15でした。
発表直後に138.31-140.68で大きく振った後に上げ出して12:35には141.07まで上昇しました。
しかし10年物国債を0.5%の利回りで無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りを1.0%に引き上げたことで日米長期金利差縮小の思惑から円買いが強まって12:40から逆に下げ出して139.42まで下落し、更に13:00から再び下げ出して13:10には138.05まで下落しました。
その後は戻り基調となって14:55には139.26まで上昇し、139.14で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

日本国債先物(チャートは15:00時点)
・日銀金融政策決定会合の発表後に債券が売られて146.43まで下落して指標となる新発10年物国債の利回りが一時0.575%と前日から0.135%上昇し、2014年9月以来8年10カ月ぶりの高水準を付け、147.31で15時となりました。
 また、中心限月の9月物は午後の取引開始直後には一時的に売買を停止する措置であるダイナミック・サーキット・ブレーカー(即時約定可能値幅制度)が発動される場面がありました。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足
 

 

上海総合指数
・前日終値3,216.67よりも9.93ポイント安い3,206.74で寄り付き、前場半ばから上昇し、後場はプラス1.4-2.0%で推移して、3,275.93(+59.25)△1.84%で引けました。

左:上海総合指数-1分足 右:上海総合指数-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW   35,282.72(-237.40)
NASDAQ   14,050.11(-77.17)
・昨日のNY株は4-6月期米GDP速報値や前週分新規失業保険申請件数が好結果だったことで景気後退懸念が緩和してプラス圏で推移していましたが、年内の追加利上げ観測が再燃し、また02:00に日経新聞電子版が「日銀は28日まで開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上」との報道が伝わると警戒感から売りが広がり、ダウは$237安、ナスは0.55%安で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足