世界最高賞金レースがサウジアラビアで創設された。1着賞金は何と1000万ドル（約11億円）－。これまで最高額はドバイワールドカップの720万ドル（約8億円）を遥かに超えるビッグレース「サウジカップ2020」（G1、1800㍍・ダート）がサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で現地29日に開催される。

記念すべき第1回大会には世界から選りすぐりの14頭が出走を予定している。日本からもクリソベリルとゴールドドリームの2頭が参戦し、1着賞金11億円を日本に持ち帰ることができるかにも注目が集まる。

特に今回はクリソベリルの評価は高い。これまで6戦して6勝、いずれもダート戦での勝利で、サウジカップと同じ1800㍍では4戦4勝と申し分のない成績を日本国内で残している。前走となった昨年12月のチャンピオンズカップ（G1、1800㍍・ダート）では川田将雅騎手とのコンビで見事に1着に。この時の2着が首差でゴールドドリームであったことを考えると、ゴールドドリームにも勝機はあるのではないかと思われる。

サウジカップでは名騎手スミヨンとタッグを組んで11億円獲得を狙うクリソベリル。サウジカップでも勝利して、7戦全勝となるのでしょうか？

日本語にも対応しているブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表したサウジカップ2020オッズによると、クリソベリルは7番手の12.00倍オッズとなっている。また、2017年にはドバイワールドカップにも挑戦経験があるゴールドドリームは34.00倍のオッズがついた。今回はJRAからの海外馬券の販売は予定されておらず、サウジカップに参加するには海外のブックメーカーを通じて参加するしか方法はなさそうだ。

第1回サウジカップの1番人気に推されているのがアメリカのマキシマムセキュリティで3.50倍オッズとなっている。マキシマムセキュリティはこれまで9戦7勝、2着1回と無類の強さを見せている。さらには、昨年のフロリダダービーを皮切りにハスケル招待ステークス、シガーマイルＨとG1レース3勝を挙げている。1度だけ連対を落としたのはケンタッキーダービーで、この時は進路妨害で降着の判定を受けて17着となった。

アメリカ馬でもう1頭強さを誇っているのが、「ウィリアムヒル」が2番人気の4.00倍オッズをつけたマッキンジーだろう。マッキンジーはマキシマムセキュリティを超えるG1レースを4勝しており、過去14戦7勝、2着が6回とこちらも素晴らしい成績を残している。唯一の12着となったのが2018年のブリーダーズカップクラシックだったが、前走となる昨年の同レースでは1着こそ逃したものの2着入線を果たしてリベンジを果たした。

優勝最有力の2頭のアメリカ馬だが、少しだけ気がかりなことも。サウジカップでは日本と同様、規定で鼻出血防止のラシックス（利尿剤）使用が禁止されており、アメリカ馬はその多くが使用していることを考えると、この禁止が影響を及ぼさないとも限らない。

日米対決の模様を呈してきた第1回サウジカップは、日本時間3月1日午前2時40分に発走する。