米国コロナ第二波がデットクロス(減少シグナル)発生!米株は今が買いなのか?

新規感染者数の先週同曜日(7日前)との比較(青棒グラフ)、同じく死者数(オレンジ棒グラフ、右軸)、各棒グラフの7日移動平均線(線グラフ)

 

最近コロナ第二波が発生している米国ですが、曜日比で見た「米国コロナの新規感染・死者増加数の推移グラフ(上図)」において二回目のデッドクロス(コロナ第二波減少シグナル)が発生しました!

第一波では感染者数の増加率がピークアウトした時点(第一波デッドクロスに先行)で米株は底打ちし、その後急回復しました。Tochiは第二波の死亡者数の増加傾向が顕著になった時点で米株(S&P500 ETF)を全て利確してしまいましたが、もう米株を買い戻すチャンスが来たと言えるのでしょうか?

+218万円 リスクオンだけど米株完全撤退!コロナ第二波がもうきてるが故

 

スポンサーリンク

 米国コロナの現状と株価の推移 

まずは米国全体のコロナの新規感染(青線)、死者数(オレンジ線)とダウ(赤点・右軸)の推移を見てみます。

 

 

第一波の増加率が穏やかになるにつれてダウは急回復し、6月中旬に第二波が始まって以降のダウは横ばい~やや上昇傾向で推移しております。第二波と株価の関係で言えることは、新規患者数も死者数も絶対数としては依然として非常に多いにも関わらず、少なくとも米株は現状のコロナを非常に楽観視している(リスクオフのメインテーマではなくなりつつあり、むしろワクチンなどのリスクオンのヘッドラインにのみ反応する様になりつつある)ということです。

 

 米国コロナ、各州の状況 

では次にもう少し詳細を知るために各州の状況を見てみます。7月は4月の6倍以上と、検査数自体が急増していて感染者数では比較が困難なことから比較可能な死者数に注目します(*感染者の増減に1~2週間ほど遅れる遅行指標)。

 

死者数の多い(全体の2%以上を占める17)州の推移

 

NY州などでの大流行のピークは収束している一方で、最近増加している州があることがわかります。まずは最も死者数の多かった4州の推移を見てみます。

 

 

4州ともほぼ収束に向かっているように見えます。ロックダウン解除は段階的ですが、図には小売店の解除の日程で記載してあります。先にロックダウンを解除したPAやMAにおいても第二波の傾向は今の所全く見られません。とは言えこれは完全解除ではないこと、夏であることも影響しているものと考えられます。

 

次に最近増加傾向の4州及び2%以下の39州の合計を見てみます。

 

 

CAは4月から比較的高い水準で推移後にさらに増加、AZ, FL, TXの3州は最近になって少しづつ増加傾向を示しております。その他(2%以下の)39州の合計も第一波がわずかに減少後、第二波の到来を示唆するような増加傾向を示しております。

 

これらのデータを見る限り、一度大流行をした州はその後収束に向かい、第二波はロックダウン解除によって引き起こされている訳ではなく、新たな州における拡大が主な要因であることがわかります。

 

 コロナ、世界の状況 

世界の状況はどうでしょうか。まずは深刻な感染拡大が見られた欧州です。

 

「イギリス」顕著な終息傾向

 

深刻だったスペインやフランス、他の欧州諸国も概ね同様の傾向です。一番以意外だったのはロックダウンしない「ノーガード戦略」を採ったスゥエーデンです。

 

「スゥエーデン」まさかの完全勝利!!!

 

概ね初期に爆発的な感染拡大が見られた国は終息に向かっているようです。例外は「イラン」

 

「イラン」初期の爆発的流行&夏なのに凄まじい第二波…

 

イランの場合は地域ごとのデーターが手に入らなかったのでコロナが移動したのか、同じ地域で再拡大したかはわかりませんでした。

 

 

一方でインドやメキシコ、ロシアなどの国々では最近になって感染が急激に広がっています。

 

「インド」増加の一途

 

次に、日本の秋冬を占う上で参考になりそうな、欧米と異なり感染が穏やかで、かつ現在冬のオーストラリアを見てみます。

 

「オーストラリア」第二波到来!無念の再ロックダウンへ、、。

 

日本は元々大したことはありませんが、似た傾向のオーストラリアを見るとこの秋冬に本格的な第二波が到来する確率はかなり高そうです。この世界の状況で来年のオリンピックとか、Go to travelとか、、本気で言っているのかと耳を疑いたくなります。

 

 集団免疫、諸説あり! 

初期に大流行した米国各州や欧州の一様な終息のデータは、集団免疫の獲得を示している様に見えます。そしてコロナは新天地にGo to travelしている模様!

 

但し「コロナに感染しても抗体が出来なかったり短期間で減少する」というこれを否定する様な研究も複数報告されております。その一方で「集団免疫には実は20%ほどが免疫を持てば良さそうだ」という研究や、「抗体が獲得されていない場合でもT細胞免疫によってコロナが取り除かれる」などのこれを支持する様な報告も複数あります。

とは言え、仮に何らかの集団免疫が獲得されていたとしても、それがこの秋冬まで持つかは現時点では全くわかりません。

 

 過去のパンデミック 

では、過去のパンデミックはどうだったのでしょうか?

 

1819年スペイン・インフル

 春に第一波、秋に第二波、冬に第三派、第二波が最も大きかった。

1957年アジア・インフル

 春に第一波、冬に第二波、第二波が大きかった。

1968~1970年香港・インフル

 冬に第一波、翌冬に第二波、国によっては第一波のほうが大きかった。

2009年アメリカ・インフル

 6月に第一波、10月後半に第二波、第二波が大きかった。

 

大きさや同じ都市なのかはともかく、秋冬に再来するのはほぼ確定のようです。

 

 米株のシナリオと売買方針 

以上のデータを元に、この先コロナが米株に与えるシナリオを考えてみました。

 

・コロナ第二波のピークアウトがリスクオン要因となり米株は上昇、その後秋冬の再流行を迎えて下落する

・コロナ第二波のピークアウトがリスクオン要因となり米株は上昇、その後秋冬の再流行を迎えるも前後のワクチンの結果を勝手に好意的に解釈して上げ続ける

・コロナの感染拡大云々は影響せず、ワクチンのポジティブニュースで上げるだけ

・ズルズルとコロナが長引きすぎたことが原因で世界経済が悪化の一途をたどり、その内米株も大暴落する

・ズルズルとコロナが長引きすぎたことが原因で世界経済は悪化の一途をたどるが、何故か米株はワクチン期待とバラマキのドーピングに支えられて徐々に上へ

 

米国・ドーピング一覧(*経済政策のみ、金融政策は別)

 

どれも有り得そうで非常に悩ましいところです。短期的には上げそうなので買いたい気もするのですが、新天地となり得る大都市が多く、コロナがGo to travelしてイマイチ感染拡大を抑え切れていない米国では秋冬のリスクもそれなりに高いと考えられます。それにどうせならガッツリ下がった所で仕込みたいので、ここはグッと堪えて”様子見”します!勿論、ワクチン完成の暁には全力購入の所存です!頑張れモッデルナ~ノヴァヴァヴァックスっ! (;´Д`)/ 

 

ref) https://auravision.ai/covid19-lockdown-tracker/, https://www.usatoday.com/storytelling/coronavirus-reopening-america-map/, https://ballotpedia.org/State_government_reopenings_after_coronavirus_(COVID-19)_lockdowns,_2020#California, https://www.jiji.com/jc/article?k=2020070700193&g=int, https://www.zerohedge.com/political/herd-immunity-threshold-against-covid-19-may-be-lower-believed-researchers, https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/post-93951.php, https://aasj.jp/news/watch/13531, https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64770?site=nli, https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61693940Y0A710C2EA2000/

コメント