消費税の増税後から2020年7月の東京五輪前までの9ヶ月感の期限付きで導入される2 or 5%のポイント還元が予定されています。景気対策ならば消費税を上げないのが一番ですし、キャッシュレス支払い限定というのも理解に苦しみます。この目的は一体何なのでしょうか?そして我々の家計にはどの様な影響があるのでしょうか?
口実はオリンピックだが真意は、、
キャッスレス決済による外国人観光客の利便性の向上
日本のキャッスレス決済は18.4%と先進国の50%前後と比べると非常に少ないのが現状です(2015年現在)。このため、目前に迫る東京オリンピック旅行者のキャッスレス決済による利便性確保は確かに重要な問題です。少なくとも、還元の期限がオリンピック前までということからオリンピックを強く意識していることは伺えます。
実は税収対策
しかし当然のことながらオリンピックによる旅行者の増加は一時的なものでしかありません。しかも旅行者が多く利用する免税店は既にキャッシュレス化に対応している所がほとんどでしょうし、国内でしか流通していないsuicaなども還元対象にしている点からも単なる口実であることが伺えます。よって本当の目的はキャッシュレス決済を推進することで現金の流れを把握し、税収を確保したいという思惑だと考えられます。
トーゴーサンピン(10:5:3:1)と言われる税務署などが把握している業種による所得の把握割合(サラリーマン:自営業:農林水産業:政治家)を増やすことで少しでも税収を上げようというマイナンバーに次ぐ政策の一環です。同じキャッシュレスでも暗号化されているビットコインなどが完全に無視されるのはこのためです。個人的には把握割合を上げること自体は犯罪の防止にもつながるのでいいことだと思いますが、同時に信用できない相手に過度に個人情報を把握されることには強い抵抗を感じます。
家計に与える影響
キャッシュレス化で支出が増える
精神科医のデビッド・クルーガー博士の研究によると、「クレジットカード払いは現金払いと比べ23%も支出が増える」ことが示されております。この数字自体はともかく、ネットショッピングだと店舗だったら買わないような商品や高額な物をつい買ってしまった経験を持つ人は多いのではないでしょうか?
これは行動経済学で言うところの「時間割引」の観点からも説明できます。人は未来の価値を現在の価値よりも割り引いて考える性質があるということです。つまり今だと嫌だけど未来の支払いならまあいっか、と考えがちということです。反省、、。
キャッシュレス化で貯金が増える?
一方で、「キャッシュレス派のほうが貯蓄が多い」などという正反対の調査結果もあるようです。ただこれは(キャッシュレス化を推進したい)クレジットカード会社の調査の為、サンプリングバイアス、つまりキャッシュレス決済を選択する人のほうが元々収入が多いなどの他の要因によるものと推測されます。
家計への影響と対策
やはりキャッシュレス化は直感的にも理論的にも家計にはマイナス要素が多いと言えそうです。これはつまり経済活動には有効とも言い換えられ、やはり税収を増やす対策として推進されているという理屈を裏付けるものと考えられます。以上を踏まえると、消費者としては上手いことキャッシュレス化のメリット(ポイント)は享受しつつも、税収には貢献しない(使いすぎない)ように賢く活用したいところです。
参照)https://manetatsu.com/2018/07/132378/, https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK28017_Y2A520C1000000/, https://www.financepensionrealestate.work/entry/2018/05/04/090902, http://news.livedoor.com/article/detail/15182599/
コメント