高額の払戻しばかりある競馬予想サイトは信用できるのか
高額の払戻し、またの名を一攫千金。
競馬予想サイトに辿りついた人であれば、誰もが一度は夢見ることだろう。1度でいいから、一瞬で百万円以上稼いでみたい。
そう思って競馬予想サイトを利用していたのは、けして私だけでは無いはずだ。
ではそのような高額の払戻を実績として公開している競馬予想サイトは信用出来るのか?解説をしていきたい。
その高額配当はホンモノか?
競馬予想サイトの殆どは、的中実績や実績公開などの名目で過去に的中した実績を一覧で報告している。
その中には、目を疑うような実績を掲載している所も多い。例えば、1度に数百万円単位の払戻を得ている実績や、常人であれば到底狙えない、例えば10番人気、12番人気が入着したような穴的中だ。
この実績はホンモノか?誰もが始めは目を疑うことだろう。事実、私も競馬予想サイトというモノを初めて知った時、その感情は特に色濃くあったと思う。
競馬の的中率は、その組み合わせが事前に決まっている事からしばしば統計学にもなぞらえられる。18頭立ての3連単を的中させる確立は0.03%だとか、この数字の大小は個人差があるだろうが、とにかく何の事前準備も無くピタリと当てられるものでも無い。
確立は人気の低い競走馬が入着に関われば関わる程落ちていき、それこそ3連単で数百万円もつくレースともなれば素人が的中させられる確立なんて隕石が落ちるようなモンだ。
そんな夢のような馬券をいとも容易く、しかも高頻度で的中させている――。
あまりのリアリティの無さに、フィクションを信じてみたくなる気持ちが生まれてしまうのだって人の心理だ。
現実は全てが嘘の上塗り
しかし、私の経験上断言出来ることがある。
それは高額払戻の実績は全て嘘だと言うこと。
多くの競馬予想サイトは、有料情報のお試し版、もしくは会員を募る目的で無料予想を提供している。最も悪質な所はそれすらもなかったりするが、その無料予想を見れば有料情報の精度もたかが知れる
悪質な競馬予想サイトは、無断転載が当たり前だと言ってもいい。無料予想がスポーツ紙の予想欄を書き写しただけなんて言うのも当たり前だし、人気順を上から記載するだけなんてのも当たり前だ。
そんな競馬予想サイトに高額払戻を的中させる技量や情報なんて、まず無い。
ではなぜ的中実績にそれだけの高額払戻が掲載されているのかと言えば、何のことは無い。全てが架空の報告だからだ。
私がこの事に気づけたのは、自分が購入し不的中だったレース予想と全く同じレースの的中が、自分が購入した以外のアカウントでは的中になっていた事を発見したからだった。
高額払戻実績の手口
多くの手口はこうだ。
原則として、どこの競馬予想サイトも1人1アカウントしか持てないようになっている。別のメールアドレスを登録しようとすると弾かれたり、見つかり次第情報が削除され会員ログインが出来なくなったり、という具合だ。
ではなぜそのような仕組みにしているのかと言えば、会員毎に的中実績の報告を分けているのだ。
競馬予想サイトを一度でも利用した経験のある方であればご存知だと思うが、情報を購入し不的中になると運営サイドから謝罪のメールが送られてくる。
主な内容は、不的中になってしまって申し訳なかった。原因を追求する。けしてこのままでは終わらせない、等だ。
謝罪メールが送られてくるタイミング、つまり情報を購入したタイミングで的中を報告するようなメールが送信される事は無い。しかし、その情報を購入していないユーザーにはあたかも提供したレースが的中したかのようなメールが送られてくる。
つまり、購入したユーザーには的中報告をせずに謝罪し、購入していないユーザーには的中したという虚偽の報告をしていると言う事だ。
これがまかり通るのだから、高額の払戻であっても、レース難易度が高いレースであってもその条件は問わず、いくらでも水増し的中を見せる事が出来る。
競馬予想サイトの高額払戻のカラクリは、全てが架空の的中なのだ。
騙される方が悪いのか?
これはある時、私が参加したレースだけが不思議と当たらず、参加しなかった週にはバンバン的中が出ていた状況を不思議に思い、検証した結果発覚した事だった。
悪質な競馬予想サイトの手口は、とにかく巧妙だ。
利用者からすれば、実績を信じ込みまさかそんな手口が使われているとは思いもしない方が大半だろう。その素直さが、命取りになることなんてザラだ。
ただ、だからと言って信じると言う善意を踏みにじる事が許されていいのだろうか?抗議の声をあげていきたい。
日常生活の中で、景気の良い話なんて中々舞い込んで来ない。あって、上司に焼肉を奢ってもらえただとか、その程度の話だ。でも、空腹を満たされる事はあっても金銭的に満たされる事なんてそうそう無いだろう。
悪質な競馬予想サイトは、そんな人の心の隙間を絶妙に突いてくる。1人でも多くの方が、こうした詐欺被害に遭う前に自己防衛をしてくれる事を願うばかりだ。